片雲さくら

スクランブル/若竹七海

1980年、名門女子高の文芸部だった少女たちは15年後、仲間の一人の結婚式場で再会した。15年前、シャワー室で発見された他校の女子生徒の殺人事件は解決しなかったが、今、その真相にたどり着いた。

 

エスカレータ式の女学院の中で、高校から入ってきたわずかの生徒をアウターと呼ぶらしい。アウターであり、日々、授業もそっちのけで読書に耽るほうが好きな文芸部の少女たちは、「頭がいい」と揶揄されなにかと諍いが起きていた。
何故かスポーツにもえる学校となると、スポーツ嫌いな人間にとってはさらにやっかいですな。

 

本好きは、ただその世界に没頭するものと、自分の言葉で表現してみたくなるものと、色々いるでしょう。読んだらすぐ語りたくなる人や、ストーリーを筋立ててうまく解説する人もいれば、強く印象を受けたシーンや言葉のみが膨らんでしまうものも。後者は前者に憧れたりするのも、普段の小さな事件もわかりやすく整理できるからだったり。かと思うと、天然かどうかはさておき、テンポのずれてるヤツや、なぜか食いつくポイントがずれてしまうものも。

 

別に、永遠に、無理してでもこの人たちと毎日を過ごさなくてはならないと決まっているわけでもないからか、「嫌いなものは嫌い」と言ってみたり、「アンタはそういうヤツだ」と理論づけたりすることもあるだろうし、実際してきた。殺人事件なんかが身近にあったら、ヘタなりにも推理はするだろう。噂も漏れてくるかぎり拾うだろう。
それで言ってしまって間違ったとしても笑って許される仲なら尚楽しいが。自分の中では納得行かずに苦い経験を押し黙って過ごすこともあるし。
若竹作品の中ではもっとも自分の学生時代に近い話しだった気がする。や、他の女流作家さんたちの学生ものの中でも一番だと思う。(けど、世間の意見とはズレてるらしいw いいよ、どうせ辻村深月が代弁者だという胡散臭いクソどもとは仲良くなれないってわかったから)

 

テンポがずれてる、食いつくとこが違う飛鳥が、修学旅行のグループ分けで一緒に行動するとは言われないままで、夏と喧嘩になったというシーンは好きだ。多分それほど皆に好かれているわけではないという自覚もあるだろうしな。実際、苦手と思ってる子もいたわけだし、あれはツライな。喧嘩になっても私も確認するだろうなぁ。そして現実はもっとこじれるだろう。

 

シャワー室は密室だった。そして犯人は15年間捕まらなかったということで、それぞれの少女たちが、その時代、あらゆる手がかりをヒントに、また別に起った学校内の事件や級友の事故死なども併せて推理していく。それぞれの視点も立場もまた面白い。

 

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片雲さくら

傍聞き/長岡弘樹

評価:
長岡 弘樹
双葉社
¥ 550
(2011-09-15)

救急車で拾った怪我人は、自分の婚約者を車いすの生活へ追いやった事故の容疑者を起訴しなかった地検の男だった。あいにくどの病院も万床で…(迷走)

近所の老女の家に空き巣ならぬ居空きが入った。通り魔を追う刑事である母に、怒るたびに口を利かなくなる娘はその理由をはがきで送るが、数字のクセのせいか、はがきは老女の家に届いてしまう(傍聞き)

 

「一つの作り話があって、本人から聞いたら疑うけど、聞くつもりもなく漏れ聞いた他人の話だところっと信じてしまう」ことを傍聞きというそうだ。
だとしても真実ではないことを、亡くなった旦那に聴かせるために云う必要はないだろうと思うが。仏壇に手を合わせて「まだ料理もできないのよ」と報告することと同じじゃないのか?

 

「迷走」。目の前の憎き敵がたらいまわしで死に絶えていくところを…、いっそ、見守ってましたって方が私の胸はすくだろうか。
救急隊はしていい看護とか救護のラインがあって、時に行きすぎた判断で救命措置をしてしまうことがあるらしいとか、ドラマでみたりするけど、逆も然りだよなと思いながら読んでたせいか、この室伏の行動はさっぱり理解できないし、褒めることでもないと思う。

 

高熱が出て病院に一番のりで行ったのに、予約患者が15人いるから4時間待ってくださいって言われたら、素直に「はい」って言えますか。
死なない程度なら、もうひとつの瀕死の命を救うためなら引きづり廻しても英雄ですか?

 

もしかしたらDVを受けてるかもしれない赤ん坊を救助に入った消防隊が…って「899」も。DVかもしれないってだけで、親から愛されずに地獄の日々を送っているとか、想像するのは勝手だろうけど、火事と比較できるものなのか? 救うべきかどうか? 別にそれをアンタが決めることではないだろう。

 

失くしたものの大切さを実感させるため、在り処を知ってて暫く黙っとく。モノでも命でも簡単に天秤にかけられますか。困惑してる相手をみて「いい気味だ」とか思ってるくせに、立派なことをしてるつもりでいる人間は好きになれない。

 

“性善説(せいぜんせつ)とは、人間の本性は基本的に善であるとする倫理学・道徳学説、特に儒教主流派の中心概念”とWIKIに記載されているけど、なんか、この本を読んで感動したとか、いいことしなきゃと思った人が多いそうですが、私は読後さらに不快な気分になっただけでした。
それから、どこがミステリーなの?

 

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片雲さくら

インフルエンザ・デビューしちゃいました

なんてことでしょう。
齢4Xにしてついに、人生初のインフルエンザに罹ってしまいましたよ。

ことの起りは先週火曜日、会社の少し離れたところにいるデザイナーさんが咳き込んでいるなぁと思ってたら、翌日彼女がインフルエンザで欠勤。

で、その翌日。昼から帰ってきたらなんとなーく、咳が出て、
ふと気付くと隣も前の人も同じような咳してて、
やーな感じはしたんだけど、早く帰って風邪薬と高ビタミン剤のんで寝たんだけど、
翌日もっと酷くなってて、、、

後ろでアホの社長が怒鳴っておりました。
「インフルエンザ補助出すって言ってるのに、予防接種してないってどうゆうこと? 営業としてありえないんじゃないの?」
誰か怒られてます。ああ、デザイナーは内勤だからまだしも営業はな。
つか、インフル罹ったことない場合摂取しないほうかいいって話だったので、今回も受けてなかったんだけど。
俺も俺も。
こんな清い川の魚たちも濁すクズ営業って何?
あいつ、いつでも汚い咳払いしてんのに、マスクしないんだよなぁ。
ああ、トイレも臭いのに締めないヤツ…。
一種、暴行罪で訴えてやりたい。

最近は、無言のままでもPCで無駄話ができるから、便利なのやら迷惑なのやらわからんけど、これ以上、この空気の悪いとこにいても気分悪くなるだけなので、昼メシに出かける。

ところが、こんな私がごはん半分でノックダウン。
こりゃおかしいってことで、近所の内科へ行ってみたら、鼻の奥に長い棒突っ込んだだけで
「残念、インフルエンザ!」
だってさ。

つーことで、タミフルとやら頂きましたよ。
「えー、これって酒のんじゃ…」
「ダメ! 絶対ダメ!」
あまりにも全ての人が必死に止めるので、仕方なく5日間禁酒しちゃいましたよ。

つーか、最初の二日は爆睡だったので、気にもなりませんでした。
つーか、それまで熱感じないし、関節痛くなるとか、そんなんもなかったけど、駅から家までがしんどくて、体中の関節が外反母趾じゃねーかってほどおかしな感じで大変だったぜ。

3日めに解熱剤の前に飯食えってあるから食ったら、上から下からマーライオンで、これもまた大変で、これじゃ薬なんか効かねぇわなと思いながら、禁酒だけは守りました。

5日自宅待機と言われたけど、タミフル切れてからも治った気がしないので、近くの病院行ったら、気管支が炎症起こしてるだけ、と言われた。だけ、ってよ。そっちのがツライんすけど。ふ、歩くだけでへとへとです。
つか、咳止めくれよ!
ふ。明日もサボろう。
つか、今日はもう飲もう。やっぱアルコール消毒に限るわな。





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片雲さくら

2013年おすすめランキングの本棚〜読書メーター〜

2013
2013年は読書の半分が漫画だったようなので、漫画に絞って作ってみました。

暗殺教室
暗殺教室

松井 優征 (著)

-あらすじ-
月をふっとばした謎の生命体、間接があいまいでタコに似た生物だが、マッハ20(だったかな)で移動できる。これが、落ちこぼれの3-Eの担任としてやってきた。翌年3月までに暗殺しないと地球を滅ぼすという。暗殺に成功した場合、憶単位の賞金がでるという。E組の生徒は殺センセイを暗殺するべく…。



暗殺という物騒この上ない目標を学生が持っていて、しかも学長も中央官庁も了解済みという荒唐無稽な話なのだが、この殺せない謎の生物は、熱血教師も唸るほど、生徒に対して熱心なのである。そしておちゃめ。学園事態、落ちこぼれのE組をつくり、「ああはなりたくない」という絶対差別社会を作り上げることで、少数は捨ててでもエリート人間を作るという理念を持っている。その辺の対立なんかも面白いのだが、どうやらもともとタコだったわけじゃないらしい殺センセイの過去も気になるところ。
『この漫画がすごい 2014』で暗殺教室は男子部門第一位になってました。
これは面白いと薦められて読んだ本ですが、文句なく面白かったです。


きのこいぬ
きのこいぬ

蒼星 きまま (著)

-あらすじ-
絵本作家のほたるは庭の隅から生えてきたきのこいぬとともに生活し始める。そして、肉親を亡くし、長年飼っていた愛犬をも亡くしたばかりで落ち込み、生活バランスさえ崩していたことをきのこいぬによって諭され…。

ってそこまではいってないけど、そんな感じの、ゆるいだけの話じゃないんですよ。「ほっこり」という言葉は相変わらず嫌いなのですが、多くの人がそういう感想を言っているゆるい漫画に見えがちですが、受け止め方によってはわりと辛辣な部分もある、と思います。
登場人物はまぁ、昔なじみで編集の女はわりと現実的にシュールで厳しくわかりやすい、ゲイカミングアウトのきのこ研究家(?)←ほたるぞっこんだが本人にはさっぱり伝わらず、ってな感じでノンキな話しだ。きのこいぬ、やたらかわいいし和むが、たこ焼き作ったり、スマホいじれたりなかなか謎生物。プラムが出てきてからちょっと、女の陰険さが加わってちょっといやな感じが匂ってきたが、どうなるか。




くらやみにストロボ
くらやみにストロボ

ハヤカワノジコ (著)

これはあらすじ書きません。BLです。
えんどうくんの観察日記』『夜空のすみっこで、』がよかったので買った。
2013年注目の作家さんといったらこの人かなと思う。エロいとこまで行かないので、BLじゃなくてもきゅんとするだろうという、胸のあたりでチリっとくる感覚を上手く描く作家さんです。
小説ではないので、そのシーン、その表情、その視線の先、とか、またはコマ割りの巧みさだと思うんですが、揺れる視界、心情に歪む視界とか、漫画だからこその表現がスゴイなと思うのですよ。
正直、そういう視点でスゴイというところなので、この3作すべて、テーマの底は同じ気がするので、この先どうなるかわからないけど、この先も期待して追っていきたい作家さんです。






あとは、昨年読んで、まだw今後も続きが気になる作品をあげてみました。
なんか、もう執着というものが滅多に宿らないのだなというのを、実感するので、続巻が気になるというものが減ってきましたね。ええ、ドラマを連続で見れないのもそのせいでしょう。
特に気にならないというか、どうでもいいかなっていう、ね。
去年最後までみたドラマは『半沢直樹』と『ガラスの家』だけですわ。とほほ。

そんでもって小説も途中で挫折することはめったになかったんですけど、去年は途中で捨てた本が3冊ありますよ。
おいおい、人間って年とると丸くなるんじゃなかったのかよ、と毒づきながら。
それでも、視野が狭くならないよう、できるだけ話題の本は拾っていこうと思ってますけど、どれだけ読破できるか、勝負どころですね。

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片雲さくら

休日4時半から飲んでるヤツがほざいても信憑性の欠片もないけど

痩せようと思う。
思うだけならタダなので、思うだけ思ってみる。
身長は159センチを行ったり来たりしている昨今だが、
正月明け、軽い気持ちで体重計に乗ったら60キロを超えてしまった。

「わははー!! ついにやっちまったよ!」

と、叫ぶ、つーか爆笑しちまいました。
うーん、中年の恐ろしさってやつですよ。朝昼抜いても太るんです。
夜もね、炭水化物は摂ってないないのに太るんです。

「え、それってさぁ、空腹感をアルコールでごまかしてる分危険じゃね?」

…ああ、そういわれれば、飲む量が増えた気もするよう。
おっさんなので、焼酎3リットルボトルを月一で買うことにも、角を次の週に決まって買うこともとくに恥ずかしくなくなってきたからね。

若いお姉ちゃんが、独りと思われたくないために、コンビニで二人分の弁当買って太るなんて可愛いこと聞いて、マジでびっくりするくらい外聞とか、人の目とかいつから気にしなくなったのか、自分の胸に手を押しあててみても、「あ、デブなのに、ここには肉がないんだ…」と話が逸れるだけ。
あ〜あ。

そういえば、年末の大掃除の時、去年一度も袖を通さなかった服は捨てようと、結構な処分をしたんだけど、買ってから一度も着用していないワンピースとスカートを捨てることができなかった。
なんで、着用してないかって、サイズが小さいからなんだけど。

「これは永遠に、着る機会はないよ」

そうやって諦めて捨ててしまうと、ますます太っていくだけのような気がして捨てることができなかった。
頑張れば着れるんじゃないか? そう思いながら何年も経ってるのにね。
流行とかうんちゃらと別の理由がつけられればいいが、残念なことにスタンダードなヤツだったりするから余計に捨てられない。
だからってそれを戒めにダイエットするかっていうとそんなことはなく、毎回、大掃除のたびに同じように悩み同じ結論のもと、単に捨てられないで過ごしてるだけなんだが。

しかし、それでもやっぱり、さすがに60キロ超えはヤバイので、なんとかしなくちゃなと、新年早々思ったのでした。

例えば有言実行する人間だったら、ここに公然と書くことに意義があるだろうけど、
すでに2本目のビールを飲んでるあたりで、なんの目標もないことが自分でもよくわかる。

思うだけならただだ。
しかし新年早々とも言えず、もう一月も半ばで。
さて、どうしたもんかの。

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