◆小耳書房◆
小説・漫画・ラノベ・BL、読書レビューを中心に、
ぐうたらアラフィフの呟きと呑みと音楽のblog。
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ダブル・プロット/岡嶋 二人
子どもを産んでしまえば男と結婚できると思ったが、そうもいかなかったと泣く赤ん坊とともに、女流作家の元へ相談にやってきた女。作家の話を聞いて帰っていったが翌日死体となって発見される。作家は北海道のはず。担当の伸子は昨日見た赤ん坊が気になり、事件の真相を知ろうと動くが…(こっちむいてエンジェル)
同僚が居眠り運転の事故で死んだ。いくら疲れていたからといって、そんな眠気に襲われてバイクに乗るだろうか? 腑に落ちないまま、伸子は彼女が最後にあった編集社へ顔を出すが、会う約束をしてた女性が救急車で運ばれたという。仕事はできる女上司だったようだが、ここ最近会議中にもうつらうつらすることがあったという。(眠ってサヨナラ)
女性だからという甘えを抱く人に憤りを感じる女性。立場や環境もそれぞれだろうが、まぁだからこそ、女性と女性の話は面白いのだと思うのだけど、このシリーズ、続きがないのが残念ですね。
岡嶋二人の作品がどんどん文庫化されるようになって、嬉しい限りですね。
これは短編ばかりの話ですが、どれも30年近くも前の話だなんて、あとがきで言われなくちゃ、絶対わからないです。まぁ、出てくる小物やら風景やらに時代を感じることはあるけれど、古さを感じないです。
標題の「ダブル・プロット」は急遽書きかえられたという話なども載っていて、思わず「へぇ」と唸ってしまいました。
ちょこちょこと集めていきたいです。
超訳百人一首 うた恋い。2 / 杉田圭
見て見て。 風メッチャ強くて 草木なぎ倒されてんじゃん
だから「山」に「風」で「嵐(荒らし)」っていうんじゃね?
ビュウゥ。
大の男が、帰りがけの山道でそんなことを言い出したら、走って逃げたくなりそうだが、歌の主、文屋康秀と在原業平は仲良くなるらしい。
業平は噂どおりのイケメンで、平安を代表するプレイボーイ。
出仕ひとつとっても康秀が勝てるものはなく、劣等感を陰口としてぶつけたところから始まったとするこの話。
そして、女流歌人として名高い小野小町と月見に…。
この本には小野小町の「百夜通い」の真相にも触れている。ホントかどうかはわからないけどねということだが、六歌仙が選ばれたわけから始まって、この小町と康秀、業平の関係とともに彼らについて紐解きながらも、なんとも「わび」の世界を醸し出しているような気がする。
ということで、超訳というからに、まさに今風に訳された百人一首のあの歌が、誰がどのような場面で、どんな想いで読んだのか、勉強になる漫画です。
出てくる人々も今風で、セリフも態度も少しやんちゃに収まっていて、きゅんとくるところもありーので、親しみを持てること間違いなし。
平安のおしどり夫婦だったらしい行平と弘子の関係もよいね。どんなことがあっても、ああいう女性は、なんもいわんのだろう。
そして行平からの業平に対する感慨で、ああ、そういうことかと納得。
「恋」という面でいうと1巻ほどでないけど、恋をするにも大変な裏事情を色々と見られた気がして、面白かったです。
小町の出生から最後までは不詳とされているものの、「もし、あの時…」と振り返りながらも、というこの話にはつい涙してしまった。
彼らには歌もあるが、私もなにか残せるようになるだろうか、ねぇ。
そうして、3人楽しく東下りを気ままに〜というなら、それもそれで楽しいだろうねぇ。3巻も楽しみですねぇ。紀貫之の前説がかなり毒舌だったというお話も笑えました。
超訳百人一首 うた恋い。/杉田 圭
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アルオスメンテ/あき
「死んでしまえ」
強烈な言葉を受け目覚めたエンジェルことレグナは、その神託の真相を知るため、眠りの中で真実を引き出すという“賢者の夢”に挑む。強い殺意を抱いているのは誰なのか?
神託、まぁ、見える人という感じなのでしょうか? 自分より年下の陛下を護るため、子どもの頃より側に仕え、ブレインとして働く一人のようだ。
また、陛下の周りには仕事してんだか遊んでるんだかよくわからないけど、少々の人がいるが、やはり、「実は…」というものがそれぞれに有りそうである。
タロットの10枚のカードに陛下の周りの人をあてはめなければいけないというが、…そんなにいないしw
ってこと事態も面白い。
相変わらず男か女かもわからないキャラばっかで、年齢が26と言われたところで驚きもしない。
ただ、明るく見えてもやたら卑屈、真面目かと思えばお茶らけたりと、この方の描くキャラは相変わらず掴みどころがなくて、このミステリー仕立てなのは面白いと思う。
風呂敷を広げるだけで終わらないで欲しいですね。
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9mm Parabellum Bullet / Movement YOKOHAMA
曇り空。9mmはまだ数えるほどしか行ってないし、いつもライブハウス。
でもさすがにアリーナだと、一人で行くのも淋しいので、全く聴いたこともない妹を誘う。
彼女は結構色々聴いてるし、私の数倍も全国各地のライブに行くほどのツワモノ。若いころは共有していたものもあり、好きな曲の傾向も知っている。
多分、3枚目のアルバムとか好みだろうと思って、チケット取ったから「来てね」と誘った。CDを貸す前にすでに、自分で用意して聴いてくれちゃう辺り反応が早くてナイスだ。
そんなこんなで、「夏のライブ対策はばっちりよ」と凍ったおしぼり、お水、そして缶ビールを見せられる(笑
かなりの気合を感じました。
開演15分前に入ったのだけど、グッズ売場が「ありえないくらいの行列」になっていてびっくりされる。確かにスゴイ列だった。
グッズの売り上げの一部が義援金になるというのもあるだろうし、限定グッズもあるし、なにしろ今日お持ち帰りライブCDとやらもあるからねと、説明しながら、気付くとビールを買っている(笑
すでに軽くひっかけて来ているというのに。
15分押しで始まった。
「荒地」。歌い始めと同時にほぼお互い掴まりあい、「ゆ、ゆれる!」。
会場が揺れてました。私らはアリーナ西ブロックだったんだけど、これはもう自分から踊っておかないと酔うぞ! と。
まぁ、心配する必要もなく「Discommunication」から往年の曲が始まるの踊りまくってるわけですけど。
とくに凄かったのはドラムソロ。
ドラムソロって滅多にやってくれるバンドもいないけど、かみじょうくんはホントカッコ良かった。銅鑼、ドラ、ドラー!
続けてなんと、ギターの滝氏とのツインドラム。
た、堪りません。と涎を流す暇もなく、なんと4人でパーカス。卓郎くんは会場の隅々まで走りながらと、轟音の心地よいリズムに会場全体が揺れました。
か〜ら〜の〜、Black Market Blues!!!
フツーにやってもカッコいい曲なのに、こんなに楽しいなんて。
ホント、いい曲だわ。ホント、好き。
なんでもできるのねぇと感心してたところ暗転。
第一部、第二部ってな感じですかね。椅子が用意されまして、アンプラグド? まさかと思ってましたが、
「9mmってアコギとかできないと思ってたでしょ?」って卓郎くん。以前からやってみたらかっこいいだろうと思ってたという「Sleepwalk」を演奏。
指示どおりというか、アンプラなので座るの当たり前みたいに大人しくすべての人が座る中、9mmに始めて誘った連れは「むしろ立っていたい」と、アコギでも迸るかっこよさに楽しげで、ホント誘って良かったと大満足しました。
アコギでも? アコギだからこそエネルギッシュに感じるものってあるよね。
「Bone To Love You」の前に「骨だけになっても愛してくれないか」と卓郎くんのしゃべりがあってからというもの、「なんで、面白いこと言ってるわけじゃないのに、おかしいんだろう」と連れはMCが有るごとに笑っておりました。
いやぁ、持ってきたビールを飲む時間が用意されてて良かったよねぇ。
TVKコーナー(笑 が終わって一瞬メンバーが引いて、第三部ってところですか。
「明日は何曜日?」で「Monday」が始まりここから怒涛のメニューに突っ込みました。
「Endless Game」が聴けて嬉しかったわ。
「キャンドルの灯を」もありました。スクリーンは全体を通してあまり和くんが映らず、良く見えなかったので残念だったわ、と言ったら、
それは右のモニターだからだとあとで言われて始めて、左右のモニタが違ったということを知りがっくり。
ともあれ、「ファーストアルバムへムーブメント」ってことで「Talking Machine」「Punishment」。祭りでした。
「次で最後の曲です」って言葉に、誰も信じてないような「えー?」のリアクションがあり、「(teenage)Disaster」。
昔から9mm好きだった人には感慨深いものがあるのでしょうねぇ。
いやいい曲の流れだったと思います。
そんで、メンバーそれぞれの挨拶のもと、終了を思わせるエンドロールが。
セットリストやらなにやらがスクリーンに流れ、ウソでしょと?
ああ、お持ち帰りCDのためにこういうのが用意されてるだけでしょ、ここでアンコールなしなんてありえない! と騒いていると出てまいりました。
「アンコール用意しといてよかった」という卓郎くんのMCで始まり〜。
栗山千明氏へ提供した曲ですね、あれはやっぱ栗山先生のがと思います(…ゴメ
そうだ、コレがなかったと、「Supernova」「Cold Edge」も聴けて、
ラストが「Lovecall From The World」。
え? なんかまた始まっちゃう気がしちゃうじゃんってな終了。
「Movementはまだまだ続くって意味でしょ」と、連れがドヤ顔で締める。す、すばらしいよっ。
そのあと、駅に向かいながら、気付くと餃子に囲まれ一杯やってる私たちでした。
ああ、ホントに楽しいライブでした〜。
年寄りにはライブハウスとか、対バンとかキツいことがままあるのでね。ホールも立派にこなせるんだから、年1〜2回はやって欲しいものだね♪
- 荒地
- Survive
- Discommunication
- The Revolutionary
- Psychopolis
- Termination
- Vampiregirl
- 銀世界
- Face to Faceless
- Muddy Mouth
- 星に願いを
- Bone To Love You
- Finder
- Black Market Blues
- Sleepwalk
- Living Dying Message
- The World
- Monday
- Endless Game
- キャンドルの灯を
- カモメ
- 新しい光
- Scenes
- Talking Machine
- Punishment
- (teenage)Disaster
- ルーレットでくちづけを
- Supernova
- Cold Edge
- Lovecall From The World
-encore-
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Movement / 9mm Parabellum Bullet
評価:
9mm Parabellum Bullet EMIミュージックジャパン ¥ 2,300 (2011-06-15)
【ディスク1】
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そんなこんなで裏方の気分もあったりして、激しくテンションが盛り上がっていただけに、終わって彼らと別れた瞬間、妙にテンション落ちたりして…。
それ以外はヘビロテで聴いてます。
聴いてます、が。
重いです。音も歌詞も。
テンション落ちてる時に聴くと泣けてきたりします。
多分、2011年に出したアルバムだからということもあるんじゃないかなぁ。
震災前からレコーディングは始まってたと記憶するが、どうにも震災のことを考えさせられる世界観がそこにある気がするんだな。
でも、ソレにあてはめてしまうと不謹慎かもしれないコトバもあるかもしれないけれど、だからこその切望がそこにはある。
インタビュー記事やら写真の勉強に十何年ぶりに音楽誌というものを買った。
もちろん、買うからには9mmの記事があるものがいいってことで、先に読んでこの『Movement』に思いを馳せてたんだけど、
アレ? って思ったのが「Monday」。
作った和くんが「“明るい曲”で抵抗があった」と言っていたのに、明るく聴こえなかった(汗
でも好きだけど。
鬼連打の「Endless Game」が最高に好き。
重いだけあって、今回スラッシュだねとも言われているみたいですが、どうにもつきぬけるようなヴォーカルのキーの高さに、かつて知ったる「スラッシュ」を頭の中で並べてみても「ん?」って思う。やっぱり9mm Parabellum Bulletの世界なんだと思う。
卓郎、ホント、歌うまくなったと思うよ。
youtube | 新しい光PV
それでもやっぱり前回albumの「Revolutionary」が私にとってはここ数年の大ヒットだっただけに、それは超えないかなってところ、かな。
とにかく横浜アリーナが楽しみになってきた。
短い曲ばかりだからしょうがないけど、せめて2時間くらいはやってほしいなぁ。
帰れるかどうか心配だけど(笑
CMが深夜になると流れまくっている。まだチケットがあるらしい。
その日にお持ち帰りできるライブCD企画・アビーロードライブCDとか、色々あるみたい。
情報はオフィシャルページまたは、
9mm Parabellum Bullet | Blogで。
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有給休暇があることを敢えて教えない
GW前に「聞いた?」って感じでバイトからバイトの耳に突っ込まれる話。
「実は有給取れるんだって」
「え? バイトでも?」
「うん。だって契約変わって健保とか雇用とか入ったじゃない。だから、有給はやっぱりあるらしいよ」
「らしいって。…でも契約書には書いてないよ」
「それが、担当部署の社員からは絶対教えないんだけど、総務に申請すると何日でいくら貰えるってのを教えてくれるんだって」
えええ? なんだ、そりゃ?
と思いつつ、総務っていうのは人の出入りの激しいロッカールームと食堂の間にあるところなので、なかなか用があっても立ち寄りたくない雰囲気を醸し出しているので、
一か月ほど放置してた。
3か月更新の契約書がこないだきて、ふと真面目に読み返してみたけど、
やっぱり有給休暇のことは書いてなかった。
でもすでに、貰ってる人もいるらしいし、
そろそろダラケきってきて、ムダに遅刻するようになったし、
行ってもどうせムダに暇なので、そろそろ有給ほしいかもなんて思って、
総務に行ってみた。
10日ほど貰えるらしい。
日当の86%しかもらえないらしい。
で、確認してみたら、労基の「平均賃金」を以って算出されるという。
でも毎月変動するという注意書きがあってやっぱりいまいちわからないが、ま、貰えるだけいいだろうというところでまとまるんでしょうな。
ただし1週間前に出さないといけないらしい。
やっぱり派遣と一緒で病欠とかには使えないんだね。
ムズカシイねぇ。
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いっぺんさん/朱川 湊人
「親が刑務所に入ったことがあると、お巡りさんになれないって本当かなぁ」
はっきり言ってバカなしーちゃんだけど、友達。しょーもない親父に苦労させられているしーちゃんと、「たった一度だけなら願いが叶う」といういっぺんさんに、しーちゃんの願いを叶えたくて、内緒で二人、自転車で向かったが…。(いっぺんさん)
貧乏をさして苦痛に感じることはなかったが、幼い弟たちが不憫で、小づかい稼ぎに空瓶集めをしていたが、暮れまでに戻れなくなったことがあり咎められてからというもの、“鳥使い”の山下さんのところでバイトを始める。鳥使いとはお客にもらった賽銭を鳥にくわえさせ、枝を伝って賽銭させる芸であり、神社近くで商いを行っていた。(小さなふじぎ)
昭和な感じがしますが、これも大阪よりでしょうか。
「花まんま」寄り。少しダークで少し性的不快感があり、死と貧乏の影が大きい作品。
「かたみ歌」は幻想的ホラー寄りな感じでしたけど、アレだけなんですかね。
ま、でもおじいちゃんおばあちゃんがこっそり教えてくれる、嘘みたないな言い伝えを、「今」思い返してもなんだかどこまでがホントだったか、はっきりと否定できるものがあるのかという形で描かれると、やっぱりさもありなんと思ってしまうわけで。
「磯幽霊」「磯幽霊・それから」はいかにも作家自ら出かけって苦い経験をしてしまったような書き方である。
これがちょっと面白い。
とある海岸で地縛霊みたいなものに、危うく連れていかれそうになったという話。
卑しい腹の探り合いのように「どうせさぁ」って感じで言われてしまうと、可哀そうでもあるけど、きっぱり否定できないんでしょってな憐れみもありつつ、酷く後味の悪い読後をまんま残す話しである。
「むかーしむかし」で始まる物語を、「いつだよ」って突っ込まずに読めるような、どこかにひっそり存在する町や村の言い伝えを聞けることを、得した気分になれる人にオススメの本、ですかね。