◆小耳書房◆
小説・漫画・ラノベ・BL、読書レビューを中心に、
ぐうたらアラフィフの呟きと呑みと音楽のblog。
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遺品/若竹 七海
失業、失恋、家庭不和。元カレの先輩に当たるイケ好かない男からの学芸員としての仕事を貰い金沢のホテルへ。そこにはホテル創業者がコレクションしていたという、元女優にして作家活動もしながら謎の自殺を遂げたと噂される曽根繭子の遺品が。遺品を整理し始めると、未発表のフィルムや戯曲の原稿が見つかり、展示会へと準備は進むが、コレクションと呼ぶには、首をひねるようなストーカーまがいの代物が続々と現れるとともに、ホテル内や関係者に奇怪な事件が続発する。
初若竹作品です。この「ほにゃん」とした表紙から、どうやって、ホラー展開を想像するのでしょう。
じわじわとミステリー展開があり、気付くとどう考えてもやっぱりホラーで、でも、そう簡単には認めないわ、って気持ちを読者より頑なに貫いていく主人公のブレのなさが、話の面白さを際立たせている気がする。
ホテルの開かずの間と化していた資料室と呼ばれる部屋には、自殺したとされる女優の、というかホテル創業者だったというジジィのコレクションが詰まっていたわけだが、使い終わった箸だの、下着だの、髪の毛のスクラップブックだの出てくる始末。
オマケになぜだか、事件が起こる。猟銃を抱えた男が立てこもったり、ものが壊れたり、明らかに幽霊だろうってものを見た人も増えたり。
曽根繭子に執着するものはなぜか異質で、ついには人が死に、ネコが消え…。
そしてなぜだか、このホテルに初めてきた日からすっかり魅了されてしまった主人公は、ネチネチといじめられたり、追い詰められたり、怪我がジャンジャン増え、ジャンジャン不可解な事故に巻き込まれていく人を目の当たりにし、さんざんぞっとしながらも「ホラー展開だけはない!」という感じで、目をつぶって仕事に没頭する。ま、その時点で異常なくらいこの地に虜になってしまっているんだけど。
久々に女性作家らしいぞっとする文脈と、巧妙さがあふれている作品に出会った気がする。
まぁ、でも最後はやっぱり始まるはずだったロマンスで、「クッソー」って感じに終わってくれたほうが後味はよかっただろうに、エンドレスエンドを選んでしまったところにここまで散々ホラー展開していくところを楽しんでたくせに、ミステリー的なエンドマークを求めてしまうところが、ねぇ。
ときどき“含み”すぎててさっぱりわかんないこともある。自分が女性的目線じゃないってことなのか? と、軽くショックを受けつつ、話にぐいぐい引き込まれていく。久々に面白い本でした。
「追いかけたのに…」
あまりに信用がなさすぎて「コピー用紙ないんだけど…」、
それくらいの仕事しか頼めないと誰もが言うような、ちょっとイタイ社員がいる。
しかし、うるさいわけでもなく、暗いわけでもなく、むしろ、ヲタクな話でもメカニックな話でも冠婚葬祭でも社会情勢でも、どんな話でも適度に話ができるので、誰でも適度に時間つぶしと憂さ晴らしに使っているようなクッション人間である。
そのムーチョが、ちょっと前にいきなり松葉杖でやってきたので、どうしたのかと聞いたら、
部長の指より細い椅子の足にけ躓いて、骨折したらしい。
「骨がラーメンでできてるから」と言ってたが…。
ちなみに部長ってのは、「毎日かーさん」3Dみたいなどこにでもいる妖怪である。
すっかり一週間たってしまったが先週の金曜日。
もうちょっとで仕事が終わるぞって時に、ふいに事件が起こる。SEがいないカイシャなので、とりあえずマニアックそうな受サマに言ってみる。
「すんませーん。PCに神降臨しましたー」
「ゴメン。ぜんっぜんわかんない」
「CPUが牛歩始めましたー」
「わははー。呪われろー」
「別にいいけど、めぐりめぐって月下美人殿にドヤされるのは、受サマだからね」
「え? なんでそうなるの?」
「転ぶなら私が一人で転ぶわけないじゃん。絶対誰かしらの足は掴むでしょ」
頭をかきまわしながら、PCをイジる受サマを見下ろしながら、満足気な笑みを浮かべている私を見つけてムーチョが足を引き摺りやってくる。
詳しいのかと思いきや、受サマより宛てにならんことがすぐにわかるが、どうも忙しそうな受サマが、悪女に捕まっていることを心配しているらしい。
「もしかして、これからデートですか?」
「なんでそーなるねんッ」
受サマを、受サマだと思っている私と、そう思われているとわかっている受サマのいつものノリツッコミ…もとい…、ウケ突っ込みに動転しつつ、ムーチョは
「ぶぶぶぶぶ部活です!」
と。
私 「…転部(コロブ)?」
受サマ 「ころびませーん」
ムーチョ「ちちちち違います、ラーメン部です」
話を聞くとどうやら二人でよくあちこちのラーメン屋に食いにいっていたりするらしく、今日も終わったら行こうね♪って話をしていたらしい。
「ほな、入部しまーす♪」
ラーメンなんぞに金払う価値はないと思いつつ、下心黒腹で、すかさず手を挙げる私。ラブ注入
ってなことで、神の降りたPCはなんとか強制終了して、あとちょっとで終わるという受サマを玄関で待つことにして、ムーチョが松葉杖なんでタクシー掴まえといてくれというので、タクシーで待っていると暫くして、ムーチョがやってきた。
「出して下さい」
タクシー乗るなりムーチョが言う。
「え? 受サマは?」
「部長が急に戻ってきて、ラーメン食べに行こうって言いだしたんで逃げてきました」
「え? 受サマは?」
「いや、多分捕まったと思うので。行こうとしてたラーメン屋ではち合わせたらまずいので、とりあえずさくらさんを逃がそうと思って」
…いや、それはありがたいが、受サマは…。受サマなんだから、男ならまだしもババァに捕まるわけなかろーもん!
申し訳ないといいつつ、タクシーでそのまま送ってくれるらしいし、千歳烏山界隈で飲み歩いているらしいムーチョがおごってくれるというので、そのまま軽く飲みに行く。
とっておきの店と行っていたが、以前友達と来たことのある店だったが、ま、いい店なのでその晩は楽しく飲んで楽しくお別れする。
次の日。
ぼや〜んとした顔で、夜突然出勤した受サマ。
あらぁ、ホントにお忙しいのねぇと思いつつ、私を発見してこそっと寄ってくる。
「昨日どうしました?」
「え? 受サマが部長に捕まったらしいっていうんで、ムーチョと逃げました」
「そうなの。すぐ追っかけたんだけど、居なくって」
淋しそうに言う受サマ。
「え? そうなんですか?」
「うん、電話もメールもしたけど、出てくれなくて」
…あれ、そういえば、ソ●●●バ●●だから店に入ると電波が繋がらないという話を、しつこくムーチョがしてたが…
うっわ〜〜〜、もったいないことした!!
スミマセン、知りませんでした。と素直に謝る私。
いえいえ、こちらこそと、頭を下げる受サマ。
どちらもモヤモヤ〜とした気分なまま。
ま、年内に部活がちゃんとあるとよいねぇ。
年末の買い出し
日本最大級とやらのMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店に行ってきた。
うん、確かに広いけど、それだけって感じだったな。
本屋じゃ特色だすために、オススメだの特集コーナーだの作ったりするのが、あたりまえな今にあって、
敢えてなんにもない。
図書館並みに多種多様に揃えているけど、売れてる本が見つけやすいわけでもないしねぇ。
オマケに今日のメインは、毎年買っている家計簿手帳を買いにいったのに、
そのコーナーがなかった。
手帳のコーナーもカレンダーも、さっぱり力入れてないしねぇ。
てなことで、無駄遣いをしてしまいました。
買う予定だったのは1冊だけだったんだけどなぁ。
そういえば、「吸血鬼と愉快な仲間たち」の続編はまた延びたのか…?
しょうがないので、ロフトへ行った。
びっくりするくらい手帳とカレンダーのコーナーは大賑わいだった。
平日の昼日中に、なんでこんなに人がいるんだ!?
人が多すぎて、ここで手帳を買うのはなんかいやな気がしたので、
カレンダーだけ。
今年と同じシリーズ発見したので、とりあえず買っとく。
ついでに年賀状キッドも買っとく。
いよいよって時にプリンタが不調となりました。
ここ数年、年賀状は書かずに済んでたんだけど、どうもそうもいかなくなってきた。
といっても、微妙な人数なので、無理やり頭数を増やしてみる。
うーん。不義理な人間には辛いね。
くまポンのブログ分析
ブログに含まれている成分は・・・
読 | 212文字 | |
気 | 197文字 | |
見 | 167文字 | |
一 | 142文字 | |
月 | 135文字 |
くまポンのブログ分析
「読」はわかるけど、「気」ってそんなに使ってるんかな。
つか、くまポン、おまえのコメント意味わからんぞ。
永遠の0 / 百田 尚樹
司法試験に4度も落ち、目的を失ってニート生活を謳歌していた健太郎はフリーライターの姉にバイト代わりに彼らの実の祖父のことを調べないかと持ちかけられる。
祖母が亡くなった時、その身体にしがみついて号泣した祖父は実は血のつながりもなく、祖母との結婚生活も戦争のため短かったと聞く実の祖父の過去に最初は興味もなかった健太郎だが…。
愛する妻のために、娘のために生きて帰りたいです。
思っていても言えない言葉だったろう時代に、堂々とそう言ってたという祖父である宮部。初めに会った老人からははっきりと嫌いだったと、しかも臆病者だったと言われ、過去を探ることに萎えてしまう姉弟。
何故そんなにも生きることを強く望んでいたのに、特攻を志願したのか。血の繋がりはないものの祖父と思っている人がすでにいるだけに、存在のない人間の過去を知るというのは、スゴイことだなと思った。
しかし、何人もの人に話を聞くうちに臆病者ということだけではないことも見えてくる。
いや、どうだろう。そういう時期もあって、そういう風に見える人もいたけど、っていうことなのかもしれないし、変化もあったし、人の眼も違ったんじゃないかとも思う。
それより最初に萎えるのが、「特攻隊はテロリストと同じだ」という意見。
戦争ものを敬遠してるので、そんな意見があるなんてことは初耳だが、頭おかしいんじゃないかと思った。ものすごく腹が立って、しかもこんなことを堂々というのが新聞記者だってことにさらに頭にきた。
これについては、気持ちよいほどスカッとこのバカジャーナリストを切ってくれる老人がいたので、よかった。
それにしても字面しか信じないなんて、ペンで戦うべき者が、そんな浅い人間性をよくも吐露出来るもんだと思ったりした。
戦争は知らない。
赤紙で死地へ旅立つ夫やわが子を、万歳で送り出したというのはよく見たり聞いたりもした。でもそのまま受け取る人なんて、いくら戦争を知らない世代だからって、まんま受け止める人なんかいるんだろうか。
人前ではそうしていたのかもしれないけど、誰もいないところでは絶対泣いてただろうと思うもの。
一緒に暮らしていた家族が遠くへ行くというだけでも、切ない気持になるものなのに、家族よりも国や天皇陛下だったって人がそんなに多く居るわけがない。
『野麦峠』や『おしん』がフィクションなのはわかっていても、口減らしのために農家の娘たちが売られた時代があったとしても。
宮部を語る者たちは、自分のことも振り返ってその時代を、その当時の自分を語る。
自ら特攻を喜んで引き受けた若者などいなかった。誰もがそう語る。
「生きて帰ってきてはくださらないのですか?」
「伊藤少尉は立派な男でした」
そんなセリフにさえ、涙が滲んでしまうほど、いろいろな人の想いが織り込められている。人それぞれの事情がある。
桜花というのを初めて知った。ぞっとした。その老人の話に涙した。
沖縄基地の名前は、活躍した米兵の名前が付いているのだと小説で読んだ。沖縄を蹂躙した者の名前を堂々と使える国なのだと、そんなことを思い出した。
「戦争に殺されたのではない、海軍に殺されたのだ。」
そのセリフが強く残った。
もちろんこの本は小説であり、事実ではないだろう。けど、これを読むと、その当時の事実として描かれたものを、それ一つだけで鵜呑みにしてはいけないのだろうなということはわかる。
ただ、話は長いかなと思う。インタービューとしては、病床の人間にそんなに語れるかとか、整然としすぎてるとか、「繰り返すが…」をどの人も頻繁に使うことなんかがちと気になった。
さよならブログペット
メールを見たらブログペット終了のお知らせがあったので、
ちょとびっくりしました。
2010年12月15日(水)、BlogPetはサービスを終了します | ブログペット
JUGEMに引っ越してから、ペットの獅子丸くんと
更新してきたブログなのにね。
獅子丸くんのおかげでお友達もできたりしたのにね。
アクセスログはjugemのものよりはるかに使い勝手もいいし、
必要情報が取り出せたのにね。
ま、正直最初だけであとはさっぱりアクセスしなかったけどねぇ。
いいサービスをありがとうございました。
純棘 thorn/五條瑛
国や親に捨てられる国籍を持たない外国人。それを排除しようとする武道家。今巻で表面上ぶつかり合うのはこの二つだが、ようやくちらついていた2冊の本の内容を解き明かす者がそれぞれ現れ、事実を知り出る行動。結ばれる点と点。明かされる過去と不正。
そしてついに製薬として売り出されてしまったファラビア7は、徐々に確実に日本人を破壊しつつあることを静かに認めるサーシャは、「徳利集め」から何を得たのか。
尖閣諸島問題での中国のデモ騒動や、ミャンマーの事件。
時期的に色々なことを考えつつも、たとえ事実がどうあれ、この国では革命など起きはしないのだということを嫌というほど納得せざるを得ないエネルギーの違いを感じる。
失業や貧困のうっぷんからデモに発展しているなんて報道を聞いても、日本だって同じ状況だと言えるはずなのに(数値でいうと若干の差はあるだろうけど、それだけの話)、それほど必死に“祖国”というものに、しがみついていないのだなと思う。
今回は最初からサーシャと亮司が動き回っているところで、いよいよ終盤なんだなと思ったりするけど、相変わらずサーシャの目的と野望というか、最終点というものが見えてこない。
白と黒、敵と味方、それは場合によっては葛藤の末、立場を変えることもあるだけに、カテゴライズがすんでたはずの者たちに、はずされてしまった目隠しに2度ほど震えました。
思い出や血は足枷なんだろうか。
出す答えはそれぞれ違うだろうけど…。命あっての物種と、逃げてでも生き延びることが幸せに繋がるのか、死が楽となるのか、望む望まぬと関わらず戦いに突き進むのか。
ホント怖い。
情が救いになるのか。希望があるのか。
「人身事故で電車が止まってるから、バスに乗ったら事故にあった」それは誰かの思惑通りだったと知らされても納得するけど、
「牛乳がないから朝っぱらからコンビニにいった」、そんな些細な、到底だれかの策略ではありえないような事実さえ、誰かの思惑通りに進んでいて、計算通りだとしたらホントに怖すぎる。
あと3冊で終わり? 予想ができません。
書き下ろしは相変わらずの煩悩でした、ムフ。
“鉱物シリーズ”も読んでいるのに、サーシャの祖国を今まで勘違いしてたことに気付きました。…だって、スミレを拾ったエピソードが強かったんだもの。
wings12月号
あぶねぇあぶねぇ、あやうく買い忘れるとこだったよ。
某駅のくまざわ書店に発売日に行ったら、売ってなかったので焦りました。
K線沿線のK書店といったらヲタク御用達じゃねぇのかよ!
心の中で絶叫しながら、夜遅くまでやってる本屋ってなかなかないことにまた焦り、
ま、Amazonもセブンアンドワイも送料無料だったなってことを思い出し
無事入手。
600円の応募券では高すぎるので、とりあえず読むが、
艶漢は間ぬけちゃってるわけだがら、見てもなぁ…と思いつつ、
こーちゃんのちらつくふんどしを見てしまったら、ついついついつい。
安里が…。
それで応募券はどこにあるんだろう。