◆小耳書房◆
小説・漫画・ラノベ・BL、読書レビューを中心に、
ぐうたらアラフィフの呟きと呑みと音楽のblog。
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つづきはまた明日 2/紺野キタ
母親を事故で亡くした兄妹・杳(はるか)と晴(さや)。彼らの顔を見にやってくる父親の妹・リカコさんは嵐を呼ぶ一言が多く、たまに皆を唖然(呆然)とさせる。
近所で習い事を熱心にこなすしおりちゃん。原田家のママ・ゆんゆんのお月見。そして両家でピクニック。
佐保も書道教室に通うことになって、杳が母を亡くした時のことに触れる。
もう、発売から三日三晩読み返しても、もらい泣きとうるうるの連続でした。
すでに今年一番じゃないかという予感さえある。最高に優しくて、止めどなく温かいお話です。
最初の2ページでいきなりのかわいらしい攻撃で爆笑をさそいます。
まだちっさい晴ちゃんは、ホントかわいいです。お父さんが帰ってくるたび、まだ、飛びついてお迎えしてくれる歳だし、“力技”でオトナがいいくるめようとも、ちゃんと自分の言葉で理解して飲み下していく力もある。
鳥さんがかわいそうだから、鶏肉は食べないとか、妖精の粉の魔力とか。
「おとぎのくにに、おかあさんはいないの?」
“力技”では答えられないはてなには、ちゃんとお兄ちゃんが、答えてくれる。
もう涙が止まらないです。
杳みたいなお兄ちゃんが、ものすごく欲しいです。
そう思いつつも、母性愛で抱きしめてあげたいです。
主夫に甘んじている原田家のパパにそんな事情があったとは。
ゆんゆん、自由におおらかに生きている活力ある人だと思っていたけど、家の中には持ち込みたくないとか、そんな心遣いもあるんだね。
独り者にはそんな配慮は浮かばないだけに、はらはらと涙するシーンは、何度見てももらい泣きしてしまう。
書道教室の先生が、女だけどかっこいい。若先生って響きがいいよね。
表紙も好きだけど、扉絵がまた、いっつまでも眺めていられるほど好き。
「夜の童話」(3/24)「Cotton」(4/24)がカバー書き下ろしで刊行されるらしい。
くっ、こないだやっと「夜の童話」を見つけたのに。
ま、でも未収録作品も入るらしいから、きっと買うだろうな。
◆紺野キタ レビューはこちら
夜の童話
つづきはまた明日 1
空の中/有川浩
評価:
有川 浩 角川グループパブリッシング ¥ 740 (2008-06-25)
ライトノベルと侮ってはなりませぬ
空の中にあるのは… ちょっと長いライトノベル |
経産省の鳴り物入りで民間企業と力を合わせて開発してきた超高速航空機の演習中に、高高度の領域で立て続けに事故が起きた。
事故調査委員として自衛隊岐阜を訪問した春名は、二度目の事故の生き残りである武田三尉に合うが、女性ながらもパイロットをしている彼女は、それに対する僻みも伴って、事故の真相について語ろうとはしなかったが…。
そんな突然の事故で唯一の肉親である父を失った瞬だか、その日四国の海辺でひろったくらげのような生き物を、隣に住む佳江とともに連れ帰る。
繋がらないはずの父の携帯番号にかけると、どうやらそのクラゲらしきものが応答してくるではないか。
あまりにも有名な「図書館戦争」はアニメで全部みて、結構好感を持てたので、それが文庫化されないなら、文庫化されてるものをゲットしてみようということで、初有川浩作品です。
読みやすいには読みやすい。この厚さを感じないほどさらっと読めるけど、申し訳ないことに、半年もしたら、私はさらっと内容を忘れそうなくらいひっかかりを感じなかった。
まぁ、作者本人が、ラノベのつもりで、ラノベの枠に沿うように書いたというだけあって、どことなく現実感から遠いかなという印象は抜けない。
なんというか荒唐無稽な設定でも力技でねじふせていくところとか、矢面に立たされるのは未成年である点とか、ロボットアニメの図式に嵌っているような、上滑りしていく部分が多々あるなってのが正直な印象。
自衛隊ものとして福井 晴敏や、古処 誠二の作品を連想してしまうのがよくないんだろうな。
クラゲみたいなものが、遥か上空に棲んでいても有りだろうとは思うけど、どうしても現実としてとらえることができないので、パニックに落ちていく現状だとか、国としての対応だとかが、軽く見えてしまう。
恋愛ものとして捉えたとしても、どうも瞬や佳江が高校生?ってところではてながつくし、大人として設定されている春名と武田のコンビも琴線に触れるものがない。
人目もくれずにそんなことで怒鳴れること事態が、はしゃいでいるように見えて、どうもこういう女が苦手という点もあるだろうけど。
まだまだ深海には、未確認生命体がいるというから、空の中にも居ても不思議はないと思う。
宇宙人だってきっといると思う。人という認識をするかどうかはまた別問題として。
だからなおさら、人的知能でコミュニケーションがとれるものを生命体というのかというところはちゃんとした線引きも欲しかったし、能力が成長しているから生命体だというのも極論だろうと思う。
「私と私以外の我々」というくらいディティールにこだわりを見せるなら、解離性同一性障害ということで、すんなり話が進んじゃうのはなんでだろうって、扱うもののライトの当て方が極端だなって思った。
ただ、いざという局面になったとき、政府がどうのってより、敵対心なくフランクに話せる人が交渉人になれる世界になったほうが多分、いいんだろうなってところは頷ける。
花は南にあるのか
春一番。
今年は暖冬だという話だったけど、明けてみたら「寒かった」と答える人が関東では多いそうな。
そうね、ここんとこ雪ふったりしたし、雨が多かったしねぇ。
それにしても北風だとなんも感じなかったけど
昨日今日は帰り道で、やたら花の匂いを感じた。
なんだろう。梅だろうか。
南からの温かい風だと風情も違うものかのぅ。
6時間後にまた出勤です。
ようやく回収時間をクリアできるので、朝晩遅番の怒涛のシフトは明日で終わりだが、
キツイの。
春というとなぜかこの歌を思い出す。
-SHADY DOLLS 一人ぽっちの吉祥寺駅前-
夜が一番楽しかった時期。
春が一番、きれいだった頃。
井の頭公園で何度ゲ●吐いただろうねぇ(笑
彩雲国物語 第5巻 (あすかコミックスDX)
評価:
由羅 カイリ 角川書店(角川グループパブリッシング) ¥ 588 (2010-01-26)
国試受験前のお話
このころは幸せでした |
風邪を引いて寝込んでしまった秀麗を慮って、男どもがわらわらやってくる(笑
そして、ついに近づいてきた官吏試験。にぎわう貴陽の街でもとくに下街では、官吏試験のためにやってきた者たちの木札を目当てに諍いを起こすゴロツキが。
子どもの頃から世話になっている花街の姐さんとこで、勉強していた秀麗たちは、影月少年に出会うのだが…。
ん? 微妙な感じで絵が変わりましたかね。どことなく、うっとりと見惚れるはずの構図が、ホントに微妙に違う気がする。なんだろう、この違和感。
白が目立つくらいのほうがまだよかったかな。
飛ばしたか? と思うほど飛んでるところが多かったような気がしました。
黎深、ちょっとキモコワイ。
それにしても、風邪ごときでこんだけいい男がわらわら集まってくるなんて、羨まし…いや、やっぱ、病床になだれ込まれるのは嫌だろうなぁ。
劉輝よ、がんばれ(笑
机の下でガクガク震えているところが、メッチャかわいい。
「なにもしてない」? 大ウソぶっこいてるけど。
「イイのは口と顔とカラダと金回りだけだね」
姐さん、それ以上なにを求めなさるね?
今回は番外編が2つもある。
過去話をみると切ないねぇ。とくに劉輝好きだからな、泣き暮らしてた時代をみるたび、痛々しい。
それにしても静蘭が、劉輝には優しい顔を見せてたけど、今のようにツルっと出てくる裏の顔を、あの当時はどこで発散してたのだろうと、ふと思ったり。
それとも、王家を出てから捻じれたのかしらね。
東京バンドワゴン/小路幸也
東京下町にあるカフェスペースもある古本屋、東京バンドワゴン。経営する堀田家は4世代8人家族であるが、ちょっと複雑。伝説のロッカーである60歳で金髪の我南人の愛人の子もいれば、その娘・藍子は子ども花陽の父親を、頑として言わない。 下町に愛された老舗なだけに、ご近所さんやら古本目当てにやってくる客、いろいろ巻き込んではトラブルは家族一致団結して解決する堀田家の、ハートウォーミングなホームドラマ。
語り部は成仏できないおばあちゃんで、なんかこうホントにドラマでも見てるみたいな。「寺内貫太郎一家」だとか、「サザエさん」みたいな。 堀田家には家訓があって、それは極力守るようにしているわけだが、最たるが「みんな揃ってご飯」ってことで。 これだけで、昭和の匂いだと思ってしまうのはカナシイことかもしれないけど、「みんな」というほど家族と呼べる人数が少なくなったこの頃では、ちょっとイメージも違うもんねぇ。
4話。堀田家をめぐる春夏秋冬のミステリー。ひとつだけじゃなくてじゃんじゃん謎があちこちからやってくるが、家族で分担しながら解決していくわけで。
愛人の子が青。これが、いい男らしく、旅行添乗員をやっているらしいが、勘違いした女が結婚の約束をしたと、訪ねてくることもままあり…。 延々にそういう設定でいて欲しかったが、残念ながら(笑)ホントの嫁候補もやってくる。 彼の母親も謎だったが、ラストで明かされる。 まあ、そういう解決もあるかなと思いつつ、ううん。まあ、青が真実を知ろうとも思わないというスタンスなら、今はいいのかな。
花陽たちの話も今回で解決してしまったが、マードックさんとはどうなるのかねぇ。 ちょこっと家族のだれかと、飲みに行けるっていうのもいいねぇ。 LOVEだねぇがなんか、残るねぇ。 「アットホーム」っていうのはわりと好みがざっと出やすい。「余計なお世話」か「いつまでも見てられる」か。 まぁこれは家族のミステリーもこの巻で完結しちゃっているんで、続きがなくってもいいかもしれないけど、あるならまた見ちゃうねぇ。
ヘンタイの森 Lv.3
すっぱいもの大好きである。
香酢とやら、現液だったらむしろ買うのにと思うくらいです。
新宿高島屋にお酢専門のなんかできたらしいというので、さっそく研修の帰りに試飲してきたが、飲みすぎて、「あの、これ以上はあまり…」と心配されるくらいであった。
ち。
だったら、最初っから気になっていた生姜酢と、シークワーサー酢を飲めばよかった。
難波友あれ、、、なんだそれ、なにはともあれ、黒酢なのである。
焼酎8、黒酢1、水1ですかね。
あえて混ぜず、「色がなくなるまで飲んでよし」と云うルールのもと、カラスの鳴き声を聞くまで飲んでいる今日この頃。
地獄の3丁目に天使は舞い降りる
厳しかぁ。
パーフェクト・ジェントルマン/波津彬子
居場所を見つけられず家を飛び出していたコンラッドは、金無心に従兄弟のエイドリアンのところへ寄る。ウィルフォード財閥所有のクラブ経営をしているエイドリアン、何でもできるし優秀な彼と比較されることを嫌って家をでたコンラッドだが、大甘なおじい様と叔父につかまり、逃げるチャンスを逃す。
面の割れてるゴシップ系新聞記者は、事態を探るため少年を雇うが、潜りこんだ子どもはエイドリアンに言い放つ。「オレの父ちゃんだよね」
あれ、あらすじをみるとドロドロか? と思ってしまうかもしれないけれど、すっごく水面下の話で。
古き良きアメリカの、大金持ちが遊ぶ社交場を経営するエイドリアンはまさに紳士。顔よし頭よしセンスよし、性格よし。
優秀すぎるものがそばにいるのは、やっぱり窮屈なことなのだろう。エイドリアンに負けず劣らず美青年なコンラッド、自由奔放にやってきたようだが、やっぱり根っこはさびしかったのかなと。
少年かと思っていたが、実はお譲ちゃんで、いい男ふたりがなんとなく子育て始めるダブル父ちゃん生活!
う、う、うらやましいぞ。
おじいちゃんたちは暇と金が余っているので、やたら甘やかしてくれるしね。
楽しいけど、突然な形で終わってしまいました。
もっと見たかったぞ。
「光の庭・風の立つ影」「パラダイス・ゾーン」はコミックスがある。
久々に再読した。
波津彬子というとスーツ男子は英国紳士と思いがちだが、アメリカもちゃんといたのよねぇ。
時代はちょっと昔で、レトロと都市的なものが融合した風景もまたいいのね。好きなんだわさ。
ちなみになにかのご縁か、解説が松岡なつきさんでした☆
あとがきと解説は滅多に読まないんだけど、「古き良きアメリカ」、まさにそうなのよーっ、さすがだわーって思ってしまった。
海街diary3 陽のあたる坂道/吉田秋生
評価:
吉田 秋生 小学館 ¥ 530 (2010-02-10)
しっとり、ほっこり
割り切れない気持ち 味わい深い小説を読んだような気持ちをくれる。 |
末の妹となったすずが、鎌倉にやってきて一年。父の一周忌で4姉妹で山形に向かうと、なんと陽子は結婚を前提につきあっている男がいて、とても顔を出せないから施主はできないと聞かされる。幸は大人の対応で引き受けるが、すずは不満を爆発させる。
また、幸が不倫関係にあることを千佳を通して知った佳乃はあからさまにぶつかる。
そして、すずの恋は…。
だいぶ変わったなと思うのは絵柄だけではなくて、物語の中枢だろうな。
今までの話は延々と血の匂いが漂いつつ、死に面している課題が多かったように思うけれど、この海街シリーズは、生きるというか生活ということに目を向けている。もちろん女性としての独特の感性というものもありつつ、血の匂いは別の意味で色濃く残しているところが吉田ワールドだなと思う。
幸とすず、どことなく似ているし、別の女に走った父親に対する思いも過ごした期間も、そして立場も似ている二人。わかりすぎていて、ケンカする間柄じゃなかったのかもしれないけど、今回のことで初めてケンカできたことがなんだか、近づいたようでいいなと思う。
そして佳乃とのケンカ。
よっちゃん、酒好きってところも好きなんだけど、次女って立場も一緒だからなおさら共感するのかもしれない。
反感じゃない。わかっちゃいるけど、素直に納得したくないだけだ。
それにしても、どうも間近に新たな恋の予感が転がっていることに気付かないあたり。
いや、飲みの席をつぶされたっていうのは重要だよねってところも納得してしまうが、元彼が朋彰から一年では、職場のダメ上司がおんなじシュミだったとしても、さすがに目が向かないよなぁ。
でもまあ、すずにしても、よっちゃんにしても、新たな芽はもう出ている気がするね。
だからといって幸とヤス監督じゃ、あまりにも簡略なのかしらねぇ。いいと思うんだけど。
それにしても福面まんじゅうとやら! 食ってみたい。
ああ、鎌倉行きたい。このシリーズが出るたびに疼く鎌倉LOVE。
力餅屋 おお、まさに絵に描かれたまんまの佇まい☆
幸が別れ話をするのに、朝を選らんだのが幸らしい。
まさにあの場所で、弁当をトンビにとられた私は、鞄で撃退する幸に拍手を送った。
笑っちゃうのがアライさんだよねぇ。
どんな人なんだろう。私のイメージはサイケな感じか、汚ギャルに近いとても白衣が似合わない女性。こういう人が職場にいないと、却って幸みたいな人はストレスたまるんじゃないかなと思ったりして。
FLESH&BLOOD(9)/松岡なつき
評価:
松岡 なつき 徳間書店 ¥ 540 (2006-02-25)
待ってましたぁ!
ただのBL作品だと思ったら・・・・ スペイン上陸!! |
いよいよ逃れるチャンスを失い、スペイン領にやってきた海斗は、サンタ・クルズ候と会う。死を予言した異国・異教徒の少年を当然快く思うはずもなく、死神呼ばわりされる海斗。これから会うスペイン王を騙せるか、イギリスで騙った素生を書き直し、叩き込む。ここは唯一の保護者であるビセンテに守ってもらわないとならないが、彼に攫われなければ危険な目にあうこともなかったし、ジェフリーと引き裂かれることもなかったことを思うと、冷たい態度に出てしまう海斗。
イイイイイラストがない(涙
扉絵も表紙の加工で、かなりさびしいので星を減らしてみました。
一旦イギリスにもどるしかなかったジェフリー達だが、どうやらここで長期戦になってしまうのかと思うと、ますますさびしいし、そんな役にも立たないおっさんに、殴られてしまったジェフリーがカナシイ。
しかし、作戦はたった。ナイジェルの身が(いや貞操か?)、ちょっと心配な作戦ではあるが…。
ビセンテが唯一、援護してくれる人だとわかっていても、嘘も厭わないっていう海斗の気持ちに少し反感を持つのはビセンテファンだからか?
まぁそうよね。海斗にしてみれば、拷問を受けるかもしれないし、一歩、否一言間違うだけでも火炙りにされちゃうかもしれないオソロシイ国に連れてこられちゃったわけだからね。
でもでもでもさ。少なからずも頼りにするなら、少なからずの好意は見せんとうまくやっていけないものではないかと思うが、甘え上手な彼にはそんな計算はいらんのかな。
ビセンテが好きなので、海斗の心情にちょと不満な私であった。
歳サバよんでてよかったねと思う。演じるほどの嘘というのも頑張っていると思う。
ジェフリーがいるからこそのイギリスよりなんだろうと思うけど、両国王に謁見しての対応は、どちらかというとスペインのほうが大らかよね。まだ敵が現れてないだけかもしれんが。
それにしても、海斗は両親に対しかなり鬱屈した反感を持っているようだが、英才教育の賜物ではないかと思うのだ。
スティングをピアノで弾き語り? 多才どころの話じゃないって。
◆FLESH & BLOODシリーズ レビュー
- FLESH & BLOOD 1
- FLESH & BLOOD 2
- FLESH & BLOOD 3
- FLESH & BLOOD 4
- FLESH & BLOOD 5
- FLESH & BLOOD 6
- FLESH & BLOOD 7
- FLESH & BLOOD 8