片雲さくら

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

評価:
森見 登美彦
角川グループパブリッシング
¥ 580
(2008-12-25)
オモチロイ
コミカルで少し不思議,そして甘酸っぱい恋物語
文体に特徴有り
MONOコレでしばらくランクインしていたので買ってみた。

結婚式で見染めた黒髪の乙女。声もかけられず後を追っていくと、彼女は一人夜の先斗町へ消えていった。
そんな「先輩」の行動はつゆ知らず、酒が飲みたかった乙女はとある店で飲み始め、その飲みっぷりによってきた、おっさんと飲み始め、怪しい名前だがなんとも絶品の酒を振る舞う男の話を聞く。


えーと。
[善良的感想]
講壇を拝聴しているような流れる文体で、読みやすくてまた展開もそれを思わせる奇怪さで、先が読めない。次々と人物の視点が変わり、「こんなところでニアミスを…」と、哀れな恋に狂う男「先輩」の不運さをどこまでも面白可笑しく語っている。その一方で、「黒髪の乙女」は夜の先斗町で酒を飲んだり、古本市で楽しんだり、学園祭でおもわず注目を浴びたりと、一人で十分に楽しんでいる。そして彼・彼女に出会う一癖も二癖もある人物たちによって、またさらに楽しい経験をさせてもらえる。
夜を楽しくするファンタジックな世界。
あ、それから、セリフは確かに面白いと思うところがいくつかあった。まさに名言ともいえるものもあったが、大目に見てもやっぱり通常で使うセリフではないかな。

古い浴衣を着こんだ樋口さんとやらが、気になる。
自称お仕事「天狗」、素晴らしいじゃないか。それは天井も壁も歩くわな。
大学の階段の踊り場でおこたにあたっていても、別に驚きはしないさ。これに関しては、「かいせつにかえて」海羽野チカが麗しい絵を描いているが、まさにそんな感じ。私が想像したのは幻水2の魚釣りででてくる着物の兄さんですから。


[もう一人の私の感想]
まず、私は酒が好きだ。なので、ホストクラブで遊ぶとか、飲み比べなんかで無駄に酒を消費する行為が嫌いである。故に、毎回のごとく、酒・食品・命と無駄にする行為を笑ってくださいと言われても、ひく。
酔っ払いに乳揉まれても、いい人だと思い込んでいるような若者を助けるだけの良心もなければ、箱入りお嬢に世の中を語るほど暇でもないので、彼女の行き過ぎた行動を「かわいい」と思えない。「大丈夫か? こいつ…」常にそんな感じだったってのが、正直なところ。緋鯉を背負ったり、ダルマの首飾りをしたり…、頼むから話しかけてこないでくれって感じだ。
そしてなにより、運の悪い男は嫌いだ。
どんだけ、顔がよくてもいい人でも、それはダメだ。せっかくキメてるのにチャック全開で歩いているようなものだ。テストの出来がよかったのに、名前を書き忘れるようなものだ。いつまでたっても名前で呼ばれることもなく「先輩」で終わっていいなら生涯つっこまないさ。
これがハッピーエンドというのなら、それでさよならさ。
世の中、奇怪な世界とそれを受け入れる人間とで構成されているところもあるだろう。
ちょっとしたファンタジーとして、異文化に触れる程度には面白かった。
山本周五郎賞、…こういう枠だったか? 疑問だけ残った。



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Comment
かりんこ
2009/02/03 8:34 PM
さくらさん、こんばんは。

この本タイトルとしては好みなので、何度か手に取ったんですが、その度に何か違和感を感じて購入には至らなかったんですよね。でも、こちらのレビュを読んでそれで正解だったんだ、と安心しました。これでこの先本屋さんで悩まずにすみます(笑)
でも羽海野さんのマンガ?は気になりますね〜。そこだけチラリと読んでみようかな?

お薦めではない本で共感するのも何ですが、さくらさんの良い本もそうでない本もきちんと取り上げるスタンスが好きなので、こちらも正直にコメントしてみました(笑)

ではでは。

さくら
2009/02/04 5:21 PM
かりんこさん、こんにちは。
最初は森鴎外みたいで読みづらく、
とっかかりに苦労しました。
最後のほうに見開きで、羽海野さんが描いてます。
そこだけ立ち読みでもいい感じですね。はい。

>さくらさんの良い本もそうでない本もきちんと取り上げるスタンスが好きなので、
まぁ!そういっていただけるとすごく嬉しいです。
よくないかなぁと思いながらも言わずにおれんので(笑
私もかりんこさんの、なんとなくのツッコミがあるレビューを大いに参考にさせてもらってます☆
今後ともよろしくお願いします。

タツミ
2009/02/05 7:32 PM
こんばんは!TB&コメントありがとうございます。
あまり好みではなかったそうで、コメントするの迷ってたんですが、逆にコメント頂けて嬉しかったです!

僕は下戸なので、あれだけ楽しくそして必至に酒をくらうのが羨ましくてたまりませんでした(笑)。ちょっと、お酒を練習してみようかな、そんな気にもさせられた訳です。

森美登美彦の別作、読んだらぜひレビュー書いてくださいね!

さくら
2009/02/06 12:46 PM
タツミさん、訪問&コメントありがとうございます。
微妙なレビューですみませんです。
「コミックバンド」これもまたいいえて妙で、タツミさん巧いですね♪

楽しいお酒はよいものです。
ここまで破壊的痛快人間の集まる界隈は知りませんが、楽しい人と飲めば楽しいものです。
ぜひ、練習してみてください。

タツミさんの別のレビューも楽しみにしております。

It comments.









    
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