片雲さくら

舟を編む/三浦しをん

子どもの頃から語釈に感心のあった荒木は、玄武書房で辞書づくり30年越え、定年を迎える前に辞書づくりに適した人間はいないかと出版社内で探し、「まじめ」と呼ばれる青年を見に営業部へ行く。真面目とあだ名されるほど超ド級のものだろうと思ったそれは…。

 

荒木からまじめ、西岡と視点が推移していく中で、辞書に対する想いというのは人それぞれ違うものだというのはその人の視点でそれぞれ納得のいくものではあったが、どんどん情熱というか、その熱さも下がっていくような感じがしてなんだか尻すぼみな感じがしてしまったのは私だけだろうか。
まじめという人間が中核となるわけだし、そこまではやっぱり面白かったが、中盤で終わってしまうのはどうなんだろうと思ってしまう。彼らが熱望して身を粉にして尽くしてきた辞書づくりがどうなるのか、そこまでの物語だろうけど、語釈それぞれに面白みを感じても、辞書を切望するまでに引き込まれないので、なんとなくラストまで付き合わされたような感じがしてしまう。

 

そう、,魄いたら△鮑垢靴討い董↓△鯆瓦戮燭薛,亡泙泙譴襪判颪い討△襪茲Δ覆發里箸、またいくつも巡って順路を戻るみたいな、結局モノをしらないと理解はできない用語っていくつか辞書には載っていた。そして、辞書によって説明が違うのも知ってるので、この作品に出てくるそれぞれの辞書に対する感想は、恐らくどんな人間でも感じてたことなのだろうと思う。
それだけに、辞書づくりってこんなに大変なんだよってことは、この本を読めばわかることなのだ。そこは面白いのかなー。
辞書の末巻、とくに英和辞書についてとても熱く語る知人がいた。時代や生まれ、文化、そして触れてきた言語の数やそれにまつわる歴史、その言い方になるまでの一単語について、「まじめ」より面白すぎる拘りのある人を知ってるだけに、「こんなもんか…」と思ってしまった。
例文の突飛な辞書について人気の深夜番組でも何度か取り上げられてるのを見たこともあるので、やっぱり最後まで、同じ熱量の人で、あるいは同じ視点のままで通してほしかったなぁと思う。

 

唯一、ぬめり感というものを気にしたことがなかったので、その部分については面白かった。読んで得した。
日本の製本技術ではページ数に限界があるという。それに対抗できるのは唯一辞書だと思うが、生涯持っていても飽きない辞書っていうのが出たら楽しいなと思う。 地図3年、辞書5年で買い替えるべきと言われたものだが、今や買わなくてもネットで調べられてしまうからね。出版業界はますます大変だろうけど、図鑑がヒットしてたり、やたら面白い地図が出まくってる昨今、辞書も紙で残すべき価値観を誇って出版されるものがあれば面白いだろうな、と思った。

 

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