◆小耳書房◆
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僕だけがいない街1〜4 /三部けい
評価:
三部 けい 角川書店(角川グループパブリッシング) ¥ 605 (2013-01-25) |
売れない漫画家・藤沼には「再上映(リバイバル)」と名づけているタイムスリップのような不思議な現象を体験していた。事件の匂いをかぎ取って、被害者を救う。時にそれにより自分が被害にあったりしてゼロかまたはマイナスでプラスになることはない。
例によって子どもを助け骨折した藤沼のもとに母親が状況するが、自分がみつけられなかったリバイバルを母親が解決したことにより、彼らの18年前、誘拐事件により殺された同級生の事件を思い出す。
そんな中、バイトから帰ると母親が殺されていた。犯人らしき人物を追う藤沼だが、それにより現場逃走した犯人として追われる身となる。
母を殺した犯人は18年前の事件に関連している? リバイバルを強く願うとあの時代に戻っていた。誘拐事件を未遂にすることができるのではないか? 藤沼は動き出す。
漫画でこんなにミステリーなものはないんじゃないかしら。
これは面白いです。「え? 何が」ってことで注意力がない私なんかは、何度も前のページに戻ってしまう「あ、描写されてる」と驚く。
その言葉事態嫌いな私は騙され続けて「そーだったのか」と思うけど、「フラグ」好きの人にはたまらないんじゃないですかね。立ちまくってるのをどれだけ発見できるのか、みたいな。
そして絵もなんだか、ホラーといったら失礼かもしれないけど、奇妙な肉感を持っていてリアルな感じがします。
みた瞬間に、この子ども時代は北海道だとかわかるようなとこや、事故シーンをあらゆる角度から描くことも、スゴイと思うし、読んでてホントにゾクゾクする。
それから雛月ちゃんがかわいい。
かわいいっつーか、「バカなの?」がたまらない。
つい使ってしまいたくなる。ま、それは置いといても、必死に一人でがんばろうとしてる彼女が和らいでくるというだけで、藤沼だけじゃなく、読者も「かわいい」とヤられてしまうことまちがいないっていうキャラだろう。
なぜリバイバルが起るのかわからないけど、誘拐事件を未遂にすることによって、別の者が被害にあったりしないのか。
母親を救うことができるのか。
アイリまで「バカなの?」を使うのは単なる偶然なのか?
「声にしてた」ってのが繰り返されることで、藤沼ってもしかして中味違うの? とか、繰り返すたびに怪しさを増す、周りの登場人物もだけど、ケンヤ! お前も小学生とは思えない。
など、読めば読むほど謎が増え、続きがホントに楽しみな作品です。
藤沼のかあちゃん好きです。かっこいい。
是非救われてほしい。
『マンガ大賞2014』第2位、ナルホド、これだけ肉厚な漫画ですからね。
是非、もっと多くの人に読んでほしいです。