◆小耳書房◆
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スクランブル/若竹七海
1980年、名門女子高の文芸部だった少女たちは15年後、仲間の一人の結婚式場で再会した。15年前、シャワー室で発見された他校の女子生徒の殺人事件は解決しなかったが、今、その真相にたどり着いた。
エスカレータ式の女学院の中で、高校から入ってきたわずかの生徒をアウターと呼ぶらしい。アウターであり、日々、授業もそっちのけで読書に耽るほうが好きな文芸部の少女たちは、「頭がいい」と揶揄されなにかと諍いが起きていた。
何故かスポーツにもえる学校となると、スポーツ嫌いな人間にとってはさらにやっかいですな。
本好きは、ただその世界に没頭するものと、自分の言葉で表現してみたくなるものと、色々いるでしょう。読んだらすぐ語りたくなる人や、ストーリーを筋立ててうまく解説する人もいれば、強く印象を受けたシーンや言葉のみが膨らんでしまうものも。後者は前者に憧れたりするのも、普段の小さな事件もわかりやすく整理できるからだったり。かと思うと、天然かどうかはさておき、テンポのずれてるヤツや、なぜか食いつくポイントがずれてしまうものも。
別に、永遠に、無理してでもこの人たちと毎日を過ごさなくてはならないと決まっているわけでもないからか、「嫌いなものは嫌い」と言ってみたり、「アンタはそういうヤツだ」と理論づけたりすることもあるだろうし、実際してきた。殺人事件なんかが身近にあったら、ヘタなりにも推理はするだろう。噂も漏れてくるかぎり拾うだろう。
それで言ってしまって間違ったとしても笑って許される仲なら尚楽しいが。自分の中では納得行かずに苦い経験を押し黙って過ごすこともあるし。
若竹作品の中ではもっとも自分の学生時代に近い話しだった気がする。や、他の女流作家さんたちの学生ものの中でも一番だと思う。(けど、世間の意見とはズレてるらしいw いいよ、どうせ辻村深月が代弁者だという胡散臭いクソどもとは仲良くなれないってわかったから)
テンポがずれてる、食いつくとこが違う飛鳥が、修学旅行のグループ分けで一緒に行動するとは言われないままで、夏と喧嘩になったというシーンは好きだ。多分それほど皆に好かれているわけではないという自覚もあるだろうしな。実際、苦手と思ってる子もいたわけだし、あれはツライな。喧嘩になっても私も確認するだろうなぁ。そして現実はもっとこじれるだろう。
シャワー室は密室だった。そして犯人は15年間捕まらなかったということで、それぞれの少女たちが、その時代、あらゆる手がかりをヒントに、また別に起った学校内の事件や級友の事故死なども併せて推理していく。それぞれの視点も立場もまた面白い。
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