片雲さくら

モンスター/百田 尚樹

評価:
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寂れた田舎町にできたイタリアンの店主は町で噂になるほどの美人だったが、実は彼女は昔この町で「モンスター」と呼ばれるほどの醜い女だった。幼い頃から容姿のことで苛められてきた彼女は、幼い頃共に冒険をした少年への恋心を抱いていた。高校になって彼とようやく再開できたが、自分の醜さを知っている彼女は告白できず彼の目を潰すため、家から薬品を持ち出した。
過去を振り返りながら、整形を重ねた彼女は追い出された町へ他人として戻ってきた。彼女の目的とは。

 

うーん、女の執念というものをそれほど感じないせいか、面白みがない。
『虚貌』『嫌われ松子の一生』のような過去から構築され歪み続けるしかなかったコンプレックスというものは感じない。
どちらかというと、この「モンスター」と呼ばれる主人公・和子はただただ恋に恋する少女だったという面が強いように思う。
醜さのために苛められ、無視されたことへの怒りや妬みはあるだろうけど、怖いほどの心のしこりにはなっていないような気がする。

 

ただ、美への執着はあり金がない時代から、生活を切り詰めお金をためて整形外科に。少し直せば、欲も出てきて、あちこち弄り始める。莫大なお金がかかるため、工場仕事から夜の仕事へ。
最初は身体を売る決意をしていったのに、その醜さから断られるが、顔にメスを入れるたび払いのよい仕事に就くようになる。身体にもメスを入れる。
そうして、男たちが振り返り、身体ばかり求めることに快感を覚え、手玉にとって遊ぶようになるわけだが、そんなことに優越感を感じるって、面白いのだろうか。
吐くほどのドブスでもぞっとするほどの巨漢でもダンナのいる女もいる世の中だし、むしろ、整形疑惑のあるアイドルだって敬遠されるし、安く見られているのに、顔の筋肉もなくなるほどの整形された顔の女なんて…と思うんだけど。

 

ブスの心はブスだという、それは私も共感する。というか、顔で判断できるほどの感情の歪みというものはあると思う。同じ台詞を投げたとしても心の受け止め方で答える台詞が違うように、顔にも現れる。そして顔に歴史が刻まれるのだと思う。
ブスにはブスの、美人には美人の器というものがあると思う。演じて楽しいなら整形も楽しいのかもしれない。

 

この女は幸せになっちゃいけないだろうと思いながら読んだ。何度かその心も変えるチャンスはあったのだろうに。

 

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こんにちは! 百田尚樹さんの「モンスター」の感想です! モンスター (幻冬舎文庫
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