片雲さくら

いっぺんさん/朱川 湊人

「親が刑務所に入ったことがあると、お巡りさんになれないって本当かなぁ」
はっきり言ってバカなしーちゃんだけど、友達。しょーもない親父に苦労させられているしーちゃんと、「たった一度だけなら願いが叶う」といういっぺんさんに、しーちゃんの願いを叶えたくて、内緒で二人、自転車で向かったが…。
(いっぺんさん)

貧乏をさして苦痛に感じることはなかったが、幼い弟たちが不憫で、小づかい稼ぎに空瓶集めをしていたが、暮れまでに戻れなくなったことがあり咎められてからというもの、“鳥使い”の山下さんのところでバイトを始める。鳥使いとはお客にもらった賽銭を鳥にくわえさせ、枝を伝って賽銭させる芸であり、神社近くで商いを行っていた。(小さなふじぎ)

 

昭和な感じがしますが、これも大阪よりでしょうか。
花まんま」寄り。少しダークで少し性的不快感があり、死と貧乏の影が大きい作品。
かたみ歌」は幻想的ホラー寄りな感じでしたけど、アレだけなんですかね。

 

ま、でもおじいちゃんおばあちゃんがこっそり教えてくれる、嘘みたないな言い伝えを、「今」思い返してもなんだかどこまでがホントだったか、はっきりと否定できるものがあるのかという形で描かれると、やっぱりさもありなんと思ってしまうわけで。

 

「磯幽霊」「磯幽霊・それから」はいかにも作家自ら出かけって苦い経験をしてしまったような書き方である。
これがちょっと面白い。
とある海岸で地縛霊みたいなものに、危うく連れていかれそうになったという話。
卑しい腹の探り合いのように「どうせさぁ」って感じで言われてしまうと、可哀そうでもあるけど、きっぱり否定できないんでしょってな憐れみもありつつ、酷く後味の悪い読後をまんま残す話しである。
「むかーしむかし」で始まる物語を、「いつだよ」って突っ込まずに読めるような、どこかにひっそり存在する町や村の言い伝えを聞けることを、得した気分になれる人にオススメの本、ですかね。

 

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著者:朱川 湊人 出版社:実業之日本社 紹介文: 「願いが叶う、いっぺんだけ」 子供の頃そんな神社があればどんな願いをしたかなぁ、そんなことを考えながら読みました。 朱川 ...
どくしょ。るーむ。 | 2011/06/11 12:17 AM
装画は宇野信哉。装丁は坂川栄治+永井亜矢子(坂川事務所)。 表題作。 語り手のうっちんと友だちのしーちゃん。 神様を探す2人の少年。どんな願いもいっぺんだけ叶えてくれる。 願い事を叶えた神様の粋...
粋な提案 | 2011/08/24 2:29 AM
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