片雲さくら

花まんま / 朱川湊人

評価:
朱川 湊人
文藝春秋
¥ 540
(2008-04-10)

大阪万博の前、文化住宅と言われるいわゆる長屋生活となった私だが、欲しいおもちゃは買って貰える程度ではあった。民族学校に通う兄弟の存在は知っていたが、兄は体格もデカく近寄らないようにしていたが、身体の弱い、怪獣好きの弟のために図鑑を見せてくれと頼まれて、その家にいくことなり仲良くなるのだが、病気が悪化して弟は亡くなってしまう。
その日以来、周辺の家で幽霊騒ぎが起こる。どう考えてもその亡くなった少年であるかのような。あからさまに差別していた誰もが後ろめたい気持ちになり、図鑑で仲良くなった私にも亡くなる少し前の出来事を気に病み…
(トカピの夜)

 

びんに入ったくらげのような生き物を、物売りのおじさんは「妖精生物」だといった。
裏ににこちゃんマークのような顔があり、砂糖水で生きているアヤシイ生き物をこっそり飼うことにした少女。掌にのせると吸いつくようなその感覚は、たとえようもないほどの間隔で、そうすることに密かな楽しみを感じていたのだ。
(妖精生物)

 

「かたみ歌」は東京でしたけど、こっちは大阪近辺。どことは明確には描かれてないけど、なんとなく思い浮かぶ。そしてもうちょっとだけ昔。
貧乏や差別、言葉にはされないけれど納得する事情と状況が町の風情まで、見せているような気がして、解説の重松さんじゃないけど、メロディが聞こえてきそうな気がしました。

 

そういうわけで「かたみ歌」より重い空気でしたね。
ホラーテイストもあって、見えないものより怖いのはやっぱり人だよね、ってベースは同じだけど、この本は、淫靡な感じと生臭さも追加されてますね。

 

「今だからわかる」「今だから言える」というもの。 卒業というか、なんというか、時を重ねて癒されるものを持ってからじゃないと、「実は…」って語れないようなあの時代のパンドラの箱のようなお話でした。

 

ま、ドロドロじゃなくて、それなりに感動する話もあるんですけどね。

 

かたみ歌
かたみ歌
朱川 湊人 (著)
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Comment
asagi
2011/02/18 5:13 PM
こんにちは。

「かたみ歌」がよかったので、他の本もそのうち読みたいと思っていたのですが…
そうか〜。「かたみ歌」より重いのですね。

舞台が大阪で、万博の頃となるとかなりそそられますが、さくらさんの「パンドラの箱」って喩えがおそらくかなり的を射ていると思うと、ちょっと怖いなぁ(^^;

さくら
2011/02/19 12:46 AM
asagiさん、こんばんは。

うん、私は「かたみ歌」より重いかなぁと思ったけど、
大阪が舞台ですし、東京との違いが味わえますので、
是非読んでみてくださいまし。
住んでるところで印象が違うかもしれませんし。

It comments.









    
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