スポンサードリンク

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

TOPへ
応援! ブログ村ランキング | - | - | -
片雲さくら

かたみ歌/朱川 湊人

評価:
朱川 湊人
新潮社
¥ 460
(2008-01-29)
昭和が色濃く残る頃の物語
ホラーが苦手な方はご注意を。
長閑でやさしい住まう場所。

都電が走る東京下町の“アカシア商店街”。はずれの覚智寺近くのアパートに、目の出ない小説家志望の男は年上の女性との新しい生活のために越してきた。商店街のラーメン屋近くを通り過ぎたとき、刑事のようにラーメン屋を観察する若い男を見る。
芥川龍之介に似た古本屋の主人にそのことを話すと、そのラーメン屋でごく最近殺人事件があったとのこと。見かけた若い男は犯人なのか、刑事なのか…。
(紫陽花のころ)
昔から身体の弱かった啓介は、知的でなんでもできる兄を慕っていた。アカシア商店街のあちこちに啓介がこの夏を越せずに死ぬだろうという不吉なラクガキが貼り出されるようになって、兄とともに古本屋の店主に犯人らしき少年を見たという話を聞く。喘息で呼吸困難になる啓介にとって、10歳という歳相応に思えないほど弟思いの兄はもっとも頼れるべき存在だったが…。(夏の落し文)

 

「マンガ君、たくさん人が住んでいれば、奇妙な話の一つや二つはあるものさ」(P200)

 

何度、鳥肌を立てただろう。
その瞬間、泣きそうになるのをぐっとこらえるのに必死になるほど、帯の「涙腺崩壊」というのもわからなくもないような、まさにこの季節にオススメの一冊である。
ホラーではない。
けれど、タイトルをみてわかるとおりの、魂をもってかれそうな短編集です。

 

舞台は都電が通るアカシア商店街。必ず出てくるのは覚智寺・さびれたレコード屋、そして「幸子書房」と名のついた古本屋とそのオヤジ。
眉が50度の老人が、タバコ喫みながら店番してたら、やっぱり気難しいそうだと思って、やたらに話しかけたりはしないだろうけど、意外にも話してみると気さくだったりして、つい、それぞれが話かけてしまうのだ。

 

そして、それぞれの話が怪談とはいわないまでも、ぞっとする展開を迎える。
生温い空気の中で、突然、氷で背筋を引っ掻かれるような一文で、「あ」という運びは、毎回スゴイなと思った。
特に、「夏の落し文」の兄の推理のすごさとか、何故、ってところまで頭が回らなかったところにガツーンとくる。

 

「栞の恋」と「おんなごころ」、「ひかり猫」には思わず涙しました。

時事と歌、時代の流れをなんとなく近く感じるとともに、アカシア商店街のだれかの話に光を当てられる。
アカシア商店街の歴史がちらっとみえてくるが、廃れてしまった情景も描かれていて、そのあたりにやっぱり物悲しさを感じるのだろう。

 

誰も立ち寄らなかったレコード店にスポットが当たったら、ラストはやっぱり、名前も知らされなかった古本屋「幸子書房」のオヤジの話になるだろうと思っていたので、主人公が違うことにがっくりきたが読みは合ってたことにちょと興奮。
そして、石灯篭を覗きこむ老人と詩人の名前で、ネタバレされる前にわかっていても、少女まではわからなかったので、ぞっとした。

 

それにしても、ラーメン屋が…。時空の狭間に落ちたかと、ダブルショックを受けますね。
これはスゴイ本ですね。

 

TOPへ
スポンサードリンク

スポンサーサイト

TOPへ
応援! ブログ村ランキング | - | - | -
Comment
asagi
2010/08/02 1:36 PM
こんにちは〜

これは、ゼッタイ読む!読みたい!
なんかこう、時の流れにぽつんと取り残されたような商店街ってだけでそそられるではありませんか。
タイトルも良い!

いや、何よりさくらさんが泣いてしまったというならこれはなんとしても読まねば(笑)

そうそう、下の記事に「おおーっ!!!」となりました^^
行くでしょう?行きますよね?わくわく〜^^
でも、月下美人殿はお酒ダメなんでしたっけ?
そういう人って最後まで素面で、酔っ払いの失言やら醜態やらをシッカリ覚えてるから困るのよ〜(^^;

満天
2010/08/03 5:23 PM
アッシも!ぜってぇ〜買う(笑)
さくらどんが珍しく手放しで褒めておる
それに…暑いしの(ハハハハ)
背中にマジで氷を入れられたら嫌じゃが
そんな雰囲気なら味わいたい(笑)

asagiどんと一緒じゃが…下記事。
んで、何時?何時行くの?
ほぇ〜!!!でやんすの
どうか、どうかご無事で(笑)
飲みすぎたり、血流が良過ぎて酔っ払ったり
クダ巻いて余計な事を口ばしらぬようにの〜(笑)
結果報告、楽しみじゃ〜〜

さくら
2010/08/03 11:18 PM
asagiさん、こんばんは。
商店街は都会であれ、地方都市であれ、廃れたり様変わりしたりするものですよね。
このアカシア商店街も、人が入れ替わるごとに少しずつ変わっていくようですが、
「あれ?」ってところもあって、是非読んでいただければ、語れますので、楽しみですわ。

この時期、とくにオススメの一冊ですかね〜

ああ、下の記事(笑
一応、一回お断りをしましたが(←なけなしの乙女心
再度誘われました〜
微妙に間に合わないのと、他のメンバーと話したことないのが気になります。

>でも、月下美人殿はお酒ダメなんでしたっけ?
よっく覚えてますね(笑
乙女心より酒が勝ってしまう私としては、これは悩みの種ですわねぇ。
どうしたものか…

さくら
2010/08/03 11:28 PM
満天どん、こんばんは。
いつ買ったのか、なぜ買ったのか記憶にないけど
思いのほか、ぐっとくるお話でしたよん。
雹か霰が、おでこにあたるならまだしも、
背中にきゅっと入ってきたときは、快感ですわなぁ。

危険じゃよ〜
本人の前で洟さえかんだことがないのによぅ。
ここで醜態さらしたら半年の努力がパーやん!

イビラレても不快感を抱いたことがないので、
クダは巻かないだろうけど、月下美人にビクついて、
やたら遠巻きにしてたことを受けサマが知っているのでコワイのだわ〜
受けサマは絶対、そこ面白がってるだろうし…。
マズイわぁ。
考えれば考えるほど、不参加決定かも、ですよ。

nanaco☆
2010/08/08 5:20 AM
さくらさん、おはようございます〜♪
も〜〜朝から暑いです。昨日初めて(?)札幌も熱帯夜になりました!

おぉ、5つ☆ですねぇ!(^^)
この作品は未読なんですが、朱川さんって読んでるとどこか懐かしい気持ちになりますよね。恒川さんとはまた違う感じで、下町のざらりとした雰囲気とかよく出てる気がします。
さくらさんオススメともなれば、是非読んでみなければッ☆
タイトル的に「ひかり猫」が気になります…

さくら
2010/08/12 2:02 AM
nanacoさん、こんばんは。
遅くなりましてすみません(汗
熱帯夜、、、台風が近づいているころですかね。
体調くずされませんように。

時代とともに描かれる町の風景というのは好きです。
朱川さん、これが初めてですけど、他のも読んでみたいと思いました。
下町というと「東京バンドワゴン」小路さんもですが、こちらと比べても雰囲気が違うので、面白いです。
「ひかり猫」、これもよかったッ

It comments.









    
Trackback
Trackback URL of This Entry
http://komimisyobou.jugem.jp/trackback/1544
かたみ歌 (新潮文庫)(2008/01/29)朱川 湊人商品詳細を見る 時は昭和30年代末から40年代。東京の下町、アカシア商店街。 レコード屋のスピ...
こどもの時間 | 2010/08/27 4:51 PM
朱川湊人 『かたみ歌』(新潮文庫)、読了。 亡くなった者たちとの行き来が起こる、とある東京の下町でのお話。 それぞれのお話が、古本屋...
観・読・聴・験 備忘録 | 2010/11/01 8:27 PM
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

rss atom 管理者ページ
Selected Entry
Recent Comment
Recent Trackback
Categories
Archives
About
 
Recommended
無料ブログ作成サービス JUGEM