片雲さくら

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

評価:
市川 春子
講談社
¥ 600
(2009-11-20)
切なくも美しい不思議な物語
するめ本
評する言葉が見つからない

昔好きだった叔父さんに、4歳のころ紙の首飾りを作ってあげたさつきは、誤って指を切り落して大騒ぎになった。ところがよく覚えてなくて、夏休みを利用して久々に叔父さんの家に泊りにいくことになったが、その家には女の子・つつじがいた。
なぜかさつきとつつじ波長も好みもあい、おかずを食べる順番まで一緒
(星の恋人)

 

「指を切り落した」
「人としての生活は順調かい?」

叔父さんのセリフで「ん?」ってくる。そう、そういう世界。
見た目どおりのふにゃふにゃの身体なので(中村明日美子でかなり慣れた☆)、ここから不思議体験に突入しても、それほど恐怖感もなく読めると思う。

 

ピッチャーだった日下くんは、肩を脱臼してしまう。手術すれば治るというが、日下くんは野球部の寮を抜け、古道具屋の家に帰る。寄りかかってたタンスのネジが触ったらとれてしまった。拾おうとするがネジは逃げ、何日追っても捕まえられない。日下くんを心配したチームの連中もやってきて、追っかけるが捕まえられない。しかもネジたった物体はどんどんその様相を変え、言葉も覚え、服を着せれば「妹」として連れ歩ける状態に。(日下兄妹)

 

本が好きな彼女を連れて、日下くんは図書館に通う。

ネジがどんどん形を変えて、虫のような機械のような変なものだったのに、女の子になってしまうのがおかしい。
動機が不純だったりもする仲間もいるけど、手術も受けず退部するという日下くんをとめにくる子たちもおおらかで楽しい。

 

生まれてくるはずだった妹の名前をつける日下くん。
「ドSの王子様」が妹のために文字を教えたり、おうまさんになったりして、遊んでたりする。
「この宇宙で人間に見えている物質はわずか4%で」
ここからが凄い。
「としょかん」とせがむひなの後姿が切ない。
捲って、景色の広大さに泣けてきた。

 

飛行機事故でふたりきり残された未来とすみれ。ふたりで生き延びようと助けあうのだが…(ヴァイオライト)
3兄弟の住む家に飛び込んできた虫男。それは…(虫の歌)

 

ちょっと、「虫の歌」は難解でしたけど、「ヴァイオライト」はこれから雷見るたびに切なくなりそうです。
すべてが、軽い衝撃と切ない展開を孕んだファンタジーの世界です。

 

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Comment
nanaco☆
2009/12/08 9:57 PM
あっ、これすっごい面白そうですね!!
一瞬名前が今市子さんだと思いました(笑)
ファンタジーの世界大好き〜♪「日下兄妹」と「ヴァイオライト」が特に気になります。
さくら姉さまのオススメはいつも間違いないので、これも是非読んでみますね^^

ところでサイドバーにある「幻想綺帖」も気になりますねぇ。。。波津さんの漫画、お借りした「幽霊宿の主人」が超良かったので色々集めてみたくなりました。

さくら
2009/12/08 10:59 PM
nanacoさん、こんばんは。
そうですね、イラストのふにゃふにゃ感がきにならないなら、超おススメの世界ですよ。

波津さんにはまりましたか♪
実は小説だの抜いて、「雨柳堂」全巻入れて送ろうかなと思ったんですけど、
漫画ばっかりになっちゃうので、やめたんですよ。
着物、大正、貴族、紳士、いろいろムフフな世界を描かれている方なので、
どれでもオススメしますよん。
「幻想綺帖」はどこまで続くかわらかんので、まだ手を出してません〜

It comments.









    
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