片雲さくら

ななつのこ

評価:
加納 朋子
東京創元社
¥ 546
(1999-08)
読んでいる途中で腹が立ってきてしまいました
seven wonders in daily life
ほのかなノスタルジー

新刊コーナーで『ななつのこ』という本の表紙に惹かれてしまった駒子。ななつの短編小説の入ったその本を読み、駒子は生まれて初めてファンレターを書いた。身近に起こった小さなミステリーも添えて。短編集の中で、少し行動の遅い、弱虫と呼ばれる類の少年・はやてが<あやめさん>という女性に謎をといてもらうのだ。それを期待していたわけではないが、なんとファンレターの返信には駒子の綴ったミステリーにも謎解きがついていたのだった。
それから駒子は身近な謎があると、ファンレターに綴るようになった。
ある日、駒子はバス停で青年に会う。

 

なっはっはぁ。
北村薫の「円紫さんシリーズ」が好きな人は絶対好きでしょうね。
駒子さんは19歳。履歴書の資格の欄に司書と書きたくて、文学の勉強もしっかりしつつ、美術も天文も好き。毎日をゆかいにしてくれる友達もいて、ああ、二十歳前後のその瑞々しくも楽しくてくだらない、退屈でありながらもなにか毎日が新鮮な楽しい日々がそこにあってとっても嬉しい。

 

嬉しいのだが。
表紙から連想する「ほのぼの」感は、私はまったく感じなかった。むしろ解毒作用かな。
話はその短編集のひとつひとつに連動して、小さなミステリーを追っかけているわけだけど、正直その謎解きはあまり嬉しくない。
<あやめさん>の謎解きも結構えぐい。苦いと言えばいいのかよくわからないけど、その事実を知るくらいなら、「なんでだろう」と首をかしげながら過ごしたほうが、平和でいられるような気がした。
なんで、そこまで堂々と言い当てることができるのだろうという不信感も、ちょっとあったし。
「おいしい鶏肉でしたね」って言ったあとに「実はこれよ」って干からびたカエルの、手足と皮だけを見せられるような、私にはそう思えた。

 

バス停の青年は、「あら、どうしてこんなところで?」という出会いを何度か重ねます。これはやっぱりドキドキするじゃないですか。期待しますよ。ふふ。
なので、やっぱりラストは一番の苦さが残りましたかねぇ。
まぁ、そういうからくりでもいいんですけどね。いい人っぽいから。
空飛ぶ恐竜はたぶん、駒子のためにわざとやったんだろうなぁと思うと、「この〜」と肘でつつきたくなる青年じゃぁありませんか。

 

ミステリーといっても人が死んだり、怖い事件が起こったりするわけでもないので。
時にはえぐみの残ったままの野菜も食べたい気分になるときには、いいお話かな、と思うのでした。多分、次回から展開も変わってくるのだろうから、ね。

 

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Comment
miwa125
2009/06/28 5:04 PM
こんにちは〜♪
訪問&TBありがとうございます(^^)

迷惑TBの対策として、確認をさせてもらってから
表示をさせていただいています。
なので、表示されるのが遅くなりますけど、
これからもよろしくお願いしますね♪
さくらさんのTBも、さっき表示されるように設定したので、
ご安心くださいね^^
こちらもTBいただいていきますね〜♪

さくら
2009/06/28 7:03 PM
miwa125さん、こんにちは。
こちらこそ、訪問&コメ&TBありがとうございます。

迷惑TBは多くて困りますね^^
純粋な読書リンクがほしいものです。

このシリーズは絵本も出ているんですね。
そっちも読みたくなりました。

nanaco☆
2009/06/28 10:46 PM
この作品、すごく面白そうですよねぇ…
表紙のほのぼのとした感じに、すごく惹かれちゃいます♪
人の死なないミステリー、時々無性に読みたくなります。

あら、どうしてこんなところで?という青年との出会い、ものすごーく気になるので、近いうちに読んでみたいですねぇ^^

まる
2009/06/29 3:58 PM
こんにちはー☆
加納朋子さんもいつか読みたい作家さんです。
ってそんな作家ばっかり…。
表紙のほのぼのとはまた違うんですね。
「干からびたカエルの」、さくらさんの表現はいつもおもしろいです!

さくら
2009/06/29 5:02 PM
nanacoさん、こんにちは。
表紙の感じ、いいですよねぇ。
絵本もあるらしいというので、ついついみちゃいます。

青年がねぇ(笑
わたしのようにがっついている人間には、まだかまだかの登場なので、
そこが面白いです。
ぜひ読んでみてください。

さくら
2009/06/29 5:05 PM
まるさん、こんにちは。
世の中、どうしてこんなに本があるんでしょうねぇ(^^;

>表紙のほのぼのとはまた違うんですね。
うーん、そんなこと言っているのは、私だけっぽいぞぅ。
ぜひ読んでみてください〜
カエルは見えないかもしれませんから(笑

asagi
2009/06/29 5:10 PM
さくらさん、こんにちは♪

この本、読んだのは何年も前で、詳しい内容は覚えていないのに、北村薫さんの「円紫師匠と私」のシリーズに似てるなぁと思ったのだけは覚えてます。

誰も死なない、日常のちょっとしたミステリーって、良いですよね(^^)
創元推理文庫の加納朋子さんの本は表紙がどれも素敵だったし、一時期続けて読んだのですが、その後ぱったり読まなくなりました。
私には、えぐみの残った野菜は消化しきれなかったのかもしれません(^^;

さくら
2009/06/30 1:27 AM
asagiさん、こんにちは。
おお読了されてましたか。
そうなんですよ、円紫さんを一話目で思い出してしまいました。
あのシリーズも六姫くらいで疲れてしまったので、今回も…って警戒心が走ったかもしれません。

>えぐみの残った野菜
この表現であってますかね(^^;
青年との関係もあるので、その後が少し気になるところです。

It comments.









    
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今回は、加納朋子さんの「駒子シリーズ」第1弾の『ななつのこ』という作品を読んでみました。「スイカジュースの涙」、「モヤイの鼠」、「一枚の写真」、「バス・ストップで」、「一万二千年後のヴェガ」、「白いタンポポ」、「ななつのこ」の七編の連作短編集です。◆
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かもめは本を読まない。 | 2009/07/06 10:07 PM
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